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“夢のコラボ in 石巻”と書きましたが、夢でもなんでもなく、いつもこの光景があるのが料理ボランティアの会です。
石巻グランドホテルの厨房で、いちごのショートケーキとタルトを作る偉い（！）パティシエ2人。左はホテルメトロポリタンエドモント石田総料理長、右は帝国ホテルの望月シェフ・パティシエ、2人とも久しぶりの現場仕事に喜々としています。「150個もケーキを作るのは楽しいなぁ」なあなど冗談を言いながらも、真剣なプロの仕事があります。
美しさととびっきりの美味しさを兼ね備えたケーキ、この皿を見た時にぱぁっと輝いた皆様の表情が目に焼き付いています。世にも美しいお菓子！一流の仕事とはこういうものなのかを、知って頂けた事を誇りに思います。
結婚式場という贅沢な空間で、チェロとピアノの演奏を聴きながら食べて頂きました。想像して下さい、本当に至福の時間でした。「こんな美味しいお菓子を、こんな贅沢な環境でチェロを聴きながら食べたのは初めてです」とのご感想。その通りです。こんな企画、日本初じゃないでしょうか？
ご参加者がどんどんうっとりされてくるのを見ていて、私は涙が止まらず困りました。司会が泣いてどうするかって・・・でも本当に感激してしまったのです。
チェリストの溝口肇さんが演奏中にお話しされました。「家で一人で黙々と作曲していても、こうやってお客様に聴いて頂けるのが音楽家の喜びなんです。料理人の方が素材に敬意を払って美味しい料理を作るように、音楽家にも大切にするものがあるのです」 そして・・・一呼吸おいて、「早く私もそのケーキを食べたい！」
夢のコラボが実現すると素晴らしい反応がおきますが、それを実現させるためには、長い修行と学習、謙虚な姿勢と、地道な努力と向上心が必要です。素晴らしい仕事をする人に嫌な奴はいません。心優しく仕事に厳しい人が、微笑みと真剣さ双方から発するオーラ、これが人を動かします。食と音楽のコラボは物凄い可能性、発展性を持っている、そんな事も教えてもらいました。
企画・準備・調整・現場、今まさにしている総括と分析、こういった事務方の仕事も精一杯心をこめて、プロの仕事で当たりたいと思います。優秀な料理人、音楽家の方が存分に腕を発揮できる場と、そこから始まる意味のある事をプロデュースする、これをもっと続けようと思った石巻の2日間、震災から2年経ちました。瓦礫は無くなったけれど、復興には程遠いです。とても皮肉だけれど震災があったから出来た人間関係、相互に響きあい、高め合っていきたいものです。
実施 2013.3.16
厨房 石巻グランドホテル
会場 アンジュガーデン迎賓館
パティシエ 望月完次郎、渕上一明（帝国ホテル）、
石田日出男（ホテルメトロポリタン エドモント）
音楽家 溝口 肇（チェロ） 林 正樹（ピアノ）
企画 料理ボランティアの会
前日夜はチーム総出で魚料理の会がありました。この内容は別の場でご披露します。
