<GILLIE>株式会社ギリー
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GILLIE CLUB

『7月の広東料理を楽しむ』
〜 赤坂璃宮譚総料理長に聞き、食し、憩う1年 〜


<ご報告>


「今月の広東料理」2009年8月スタート以来12回、当初の予定通り、広東を食べ続けた1年でした。

譚総料理長のご指導の元、袁料理長はじめ調理場の方達、同席してくれた大川専務、橋本支配人、ホールやレセプションの方々、赤坂璃宮さん、特に銀座店の皆さまには本当にお世話になりました。

中華料理と一口に言ってもあまりに身近すぎて、「広東料理」て何?と聞かれても分からなくなっており、素人の素朴な疑問に付き合って頂き、深く感謝しています。

毎回のレポートも今回が最終回、書いていてちょっとしんみりしますが、赤坂璃宮さんとギリークラブの素敵な関係はスタートしたばかり、今後もいろんな事を考えていきたいと思っています。

飲茶、中国茶、紹興酒、、、考えただけでもわくわくしてきます。どうぞご期待下さい。

そして・・・11月には「譚さんと行く香港」が待っています。シリーズに参加された方だけの特権です。多分今回限り、実現の折にはレポートしたいと思ってます。

食を通じた中国理解、そんな企画は今後も続きます。どうぞよろしくお願いします。

今回のレポートも小林由佳さんです。12回の内11回書いて頂きましたが、参加者の方は、大いに楽しみにされていました。由佳さんも本当にお疲れさまでした。そして有難うございました。

渡辺幸裕

前回のレポートにて主宰の渡辺さんが「最終回が終わったら泣いてしまうかも」と冗談めかしてコメントされていましたが、いや結構本気でそう思っておりましたワタクシ。しかし実際は……最終回とあって全員今までにないハイテンション。大盛り上がりの一夜でした。

●璃宮焼味盆 (レイ・ゴン・シュウ・メイ・ピン)
焼き物前菜の盛り合わせ
(叉焼、皮付き豚バラのクリスピー焼き、トントロの焼き物、バンバンジー、クラゲ冷菜、甘酢漬けの野菜各種)

一年を通じ、毎回多彩な広東料理をいただいて参りましたが、唯一のマイナーチェンジだったのがこの前菜。しかし何回食べても「もうちょっと食べたい…」と思わせる一皿でした。登場回数最多の「叉焼」と「皮付き豚バラのクリスピー焼き」の完成度の高さは、前菜イコール“本コースの前の1品”としてはあまりにインパクト大。その美味さに箸が止まることもしばしばでした。最終回にして初登場の「バンバンジー」は、ふっくらと滑らかな鶏胸肉が細切りにされ、軽く辛みを効かせたタレがかかります。タレの主役である胡麻は、後味の軽いコクが際立ちます。胡麻を使ったソースって、香りとコクの強さに執着してしまいがちですが、赤坂璃宮の「バンバンジー」は、余韻で胡麻の美味しさを感じさせる洗練された味です。毎回彩りよく並ぶ野菜はいろいろな旬の力を少しづつ楽しませてくれる名脇役。今回は、生の水ナス、大豆の甘煮、ミョウガ、パプリカ、はぐら瓜の甘酢漬けが登場しました。「歯がグラグラしていても噛めるほど柔らかい、ということからこの名が付いたそうですよ」と大川さんに教えていただきましたが、小さな1片でも皮と身で異なる柔らかさが楽しめる食感に、料理人の繊細な技を感じずにはいられません。

●酥脆活生蠔 (ソウ・チョイ・ウッ・サン・ホウ)
岩牡蠣のサクサク揚げ

箸で持ち上げるのに苦労するほど、大きな岩牡蠣。今が旬の岩手県産です。生牡蠣を真水に漬けることなく調理することで、このボリュームが維持できるそうです。衣が付いているとはいえ、驚くほど巨大。盛大にガブリと噛みつくと、流れ出す牡蠣のエキスを逃すまいと焦ります。味付けされた衣の香ばしさ、サクっと揚がった牡蠣の縁部分に、固めのムースのような身が混然一体となる味わい。牡蠣バンザイ!という気分になる美味しさです。この料理は、「8月のおすすめ」として、銀座店のメニューに登場しています。

●活石斑両味 (ウッ・セッ・パン・リョン・メイ)
ハタの2食盛り
素揚げした頭を飾りに、チリソースと塩味の2つの味付けで紅白に盛られたハタです。「白」は、エリンギや茎ブロッコリーとともに優しい塩味でまとめられ、その白身は口に入れるとホロホロと崩れます。これに対し「赤」のチリソース味は、白身の繊維に沿って身がほどけるような食べ応え。同じ白身でも調理の仕方で食感が変わることがよくわかる一品でした。そして円卓を沸かせたのは、ツバメやカニなどに飾り切りされたニンジン。各自自分の皿に盛られた飾り切りをつまんでは眺め(なぜか隣に見せびらかし)、そしてパクリ。細やかな演出に場も盛り上がります。しかし、その盛り上がり、実はニンジンのせいだけではなく…。

本土では、老酒(ラオチュウ)よりも白酒(パイチュウ)
そろそろ2杯目の飲み物を…というコース中盤、今回は最終回ということで、一年間この会に同席して下さった赤坂璃宮専務取締役の大川さんから、特別に「白酒(パイチュウ)」をサービスしていただきました。白酒は、大麦やエンドウ豆から出来る麹を使った、アルコール度数50度以上という強い蒸留酒。日本で中国料理というと老酒が定番ですが、中国本土では、“ビールで乾杯→白酒”という流れが主流なのだそうです。各自にショットグラスでふるまわれ、グラスの底でテーブルを鳴らすことで感謝を表し、一斉に空けます。白酒は香りの高さで種類分けされ、その独特な香りが高いものほど重宝されます。赤坂璃宮で飲める白酒は四川省宜賓市で作られる「五粮液」。白酒の中でもいちばん香りが高い「濃香型」です。ボトルの蓋を開けた瞬間から部屋中に白酒の香りが充満。「これから続く料理に、白酒はよく合います」という大川さんはじめ、円卓は一気にハイボルテージに。

●紅焼鹿締根 (ホン・シュウ・ロッ・タイ・ガン)
鹿アキレスケンの煮込み

鹿のアキレス腱は、フカヒレや熊掌に並び中国食材の中でも貴重な珍味。乾燥されたものを水で戻し、スープで煮込みます。コラーゲンたっぷりで豚足のような脂分を感じる食感でも、豚足ほどコッテリとした後味がありません。共に盛られたキュウリや椎茸は別に調理され最後に合わせているので、全体のアクセントにもなり、アルコール度数の高い白酒を合間に飲むと、コッテリ→サッパリの交互が美味しいそうです。レポーターはお茶でガマンですが、脂を流す爽やかな香りの中国茶とも相性抜群。その豊富なコラーゲンは香港マダムの美容食材としても注目されています。

●醤焼五花南 (ジョン・シュウ・ウン・ファ・ナン)
豚バラ肉の醤油煮込み
紹興酒の故郷である浙江(せっこう)省の浙江)料理のひとつ、有名なピラミッド型の肉料理「金牌扣肉(じんぱいこうろう)」のアレンジバージョンです。豚肉と一緒に蒸し煮にされているのは、梅菜(つけな)と呼ばれる中国の香菜の漬物。中国の漬物は日本に比べ甘みが強く、この料理のソースにもよく合います。高菜漬けを思わせる香りと独特な風味で、東坡肉(トンポウロウ)に魅惑的な深みを加えたような仕上がり。「これは白酒とよく合いますね」と、皆さん料理と白酒がどんどん進みます。見た目はごはんに合う肉料理、しかし一皿の完成度が高いので、お酒と合わせゆっくり堪能したくなる美味でした。(そして白酒と合わせ食べ進む皆さんは、どんどんデキ上がっていきました)。

●排翅冬瓜蓋 (パイ・チイ・トン・クワ・チョン)
冬瓜の蒸しスープ
当初は牡蠣料理の前に出るはずだったスープですが、遅刻者がいたため調理のタイミングを変え、ここで登場。約3キロの冬瓜を丸ごとくりぬき、これにフカヒレ、金華ハム、キヌガサ茸、タラバ蟹、竜眼、牛肉などが入ったスープがなみなみと注がれています。一年間テーブルサービスを担当していただいた橋本さんの御厚意で、参加者は冬瓜の内側の身を削ぎ、スープを自分の器に注ぐことを体験。かなり満腹な頃ですが、やはり自分の分となると冬瓜を大きく削ぎ落す人多数。「やはり本来のコース順とおり、3品目くらいにサービスしないとインパクトが出ないですね。美味しいけれど料理を出す順番って大切だと思いました」と大川さんは言いますが、すみません、スープの美味しさに皆さんあまり聞いてません。「あれだけインパクトの強い肉料理の後だからこそ、このスープのさっぱり感がいい」「器に盛られた順にタラバ蟹やキヌガサ茸それぞれの美味しさを堪能していくと、最後のフカヒレの高級感を忘れてしまうほど」「金華ハムは出汁が出切っていても美味しい」などなど。

●鶉春包炒飯 (ガム・チョウ・ポウ・チャウ・ハン)
ウヅラ入りレタス包みチャーハン
最後の炒飯は大皿に盛られて登場。赤坂璃宮の炒飯は、砂丘に花が散りばめられたような美しさがたまりません。今回は揚げた干し貝柱が大盛りの上を飾ります。お米はツヤツヤなのに食べても油分を感じることなく、レタスの瑞々しい食感を損ないません。たっぷりのウヅラ肉、菊の花びらのような卵、レタスの薄緑色の影が炒飯に映るその様子に、「目で食べる」という楽しみを改めて実感しました。譚料理長は都内の料理教室などで炒飯の講習をされているそうですが、こんなに美しく完璧な炒飯が家で出来るとは、どうしても考えられないんですよねぇ…。

●美点凍甜品 (メイ・テン・トン・ティン・プン)
(仙草ゼリー、フルーツ入りカスタードゼリー、マンゴープリン、マンゴータピオカ、タピオカ入りココナツミルク、杏仁豆腐)
『宴もたけなわ』とはまさにこのこと……美味の目白押し、最終回、白酒の登場で大盛り上がりの円卓も、いよいよ最後のデザートを迎えることになりました。各自1品ずつ選ぶのが常ですが、酔いも回ってかなり自由奔放になっている参加者一同、「いつも1品だけで他が気になる」と大川さんに詰め寄ります。しまいに「では私のポケットマネーで…」と口を滑らしてしまった大川さんの一言に、全員即2品ずつオーダーさせていただきました。

一年間の最後をしめくくる極上のスイーツをいただきながら、話題に上がるのは、やはり美味しいものを食べる計画。初夏にオープンした赤坂璃宮エドモント店の点心を全種類制覇する方法を皆で真剣に悩み、果ては「胃袋は抑えないよう全員作務衣で参加」「いやむしろジャージで…」という案まで出る始末。この和気藹々ぶりは、やはり一年間円卓を囲み続けた顔触れだからでしょう。渡辺さんからは「今までギリークラブを900回以上やってきましたが、1年間を通じひとつのテーマのもと食べ、学ぶこの会は初めての試みでした。これも赤坂璃宮のご協力があってこそ。そして毎回赤坂璃宮の大川さんが一緒に円卓を囲んで下さり、料理のナビゲートをして下さったことは、私たちにとってかけがえのない経験でした」と全員を代表して感謝のスピーチが。「私も皆さんと一緒に食事をすることで生の声が聞けるよい経験でした。この会がある日は厨房もいい緊張感がありました」と大川さんも喜んでくださっている様子。「テーマを決めて店に相談していただくことはもちろんですが、ナポレオンフィッシュやネズミハタなど、普段市場に出ない食材が手に入ることも多々あるので、こういう会でこれからも赤坂璃宮の味を楽しんでいただきたいですね」。


璃宮焼味盆
(焼き物前菜の盛り合わせ)

酥脆活生蠔
(岩牡蠣のサクサク揚げ)

活石斑両味
(ハタの2食盛り)

紅焼鹿締根
(鹿アキレスケンの煮込み)

醤焼五花南
(豚バラ肉の醤油煮込み)

排翅冬瓜蓋
(冬瓜の蒸しスープ)

鶉春包炒飯
(ウヅラ入りレタス包みチャーハン)

美点凍甜品
(本日の点心とお菓子)

<ご案内>


過去の会の様子がここにあります。
お時間があればご覧になって下さい。
(写真もあります)

http://www.gillie.co.jp/g_club/seminar2009/0818.shtml
http://www.gillie.co.jp/g_club/seminar2009/0916.shtml
http://www.gillie.co.jp/g_club/seminar2009/1014.shtml
http://www.gillie.co.jp/g_club/seminar2009/1111.shtml
http://www.gillie.co.jp/g_club/seminar2009/1202.shtml
http://www.gillie.co.jp/g_club/seminar2010/0113.shtml
http://www.gillie.co.jp/g_club/seminar2010/0217_01.shtml
http://www.gillie.co.jp/g_club/seminar2010/0317.shtml
http://www.gillie.co.jp/g_club/seminar2010/0415.shtml
http://www.gillie.co.jp/g_club/seminar2010/0511.shtml
http://www.gillie.co.jp/g_club/seminar2010/0615.shtml

「譚さんと行く香港」は日程再調整中です。決まり次第ご連絡します。

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(企画スタート時の案内です)

広東料理料理人の巨匠である譚 彦彬総料理長の指揮の元、銀座店の袁國星料理長に作って頂く美味しい広東料理を食べ、食材や調理法などのメニュー、美味しい食べ方を伺います。

毎月美味しい料理それぞれのメニューの詳しい内容、特徴、そして味わい深い広東料理の特徴、楽しみ方などを、譚社長、同席して頂く大川さんに聞きながら食べて学びます。

ご参加の皆様と広東料理との距離を短くし、赤坂璃宮さん、譚さん、袁さん、大川さん達と仲良くなり、行きつけの中国料理店を増やす、そんな場になればと思います。

中国という長年の素晴らしい隣人を理解するため、“美味しい料理から中国文化の理解”を始める企画でもあります。中国人の食に対するあくなき探求心とバイタリティが、各国の田舎町にもある中国料理店の存在で分かります。

美味しいものを食べながら、毎月の季節感を目と舌で感じ、達人がいてくれるので、そもそもの疑問が何でも聞ける。おまけに楽しい雰囲気でワイワイやる・・そんな会です。楽しくないと続かない、そんな信念で続けています。

毎月1テーブルのみという少人数での開催ですが、その月に美味しい料理を順に食べながら、広東料理を学びます。(カメラマンとライターさんと共に記録しています。)

この円卓1テーブルというのが大変効果的で、10名以上の方がいらしても、話が一つになれるのです。中国料理、広東料理を皆で学んでいるという感じがします。

この日は参加できないが、広東料理を知りたいと希望される方には、ギリークラブと同じ内容か、別メニューで、ご自身がホストになっての食事会ができるようにアレンジします。

いつでもご紹介しますので、遠慮なくおっしゃって下さい。ギリークラブの紹介であれば、その日に向けて準備した資料などが、転用できる事もあります。

シリーズ企画ですが、単発参加でも全く問題ありませんし、一人でのご参加でも全く問題ありません。気持ちを一つにして同じ物を食べた方はすぐに仲間になります。

奮ってのご参加お待ちしています。

<譚 彦彬氏プロフィール>
1943年横浜中華街生まれ
新橋『中国飯店』、芝『留園』、京王プラザホテル『南園』副料理長、
ホテルエドモンド『廣州』の料理長を経て、
平成8年9月より『赤坂璃宮』のオーナーシェフとなる。
平成16年10月1日『赤坂璃宮銀座店』をオープン。

広東料理、中国料理の域を超え、日本人の好みを知り尽くしている譚 総料理長の美味な料理は、素材を厳選して素材の味を最大限に引き出し、限りなく本場に近い広東料理にあくまでもこだわり、多くのファンを魅了している。赤坂璃宮でしか味わえない『ガチョウの釜焼き』、『石垣島産ハタの姿蒸し』、『フカヒレ料理』が絶品の逸品。

本場中国の味を紹介するための研究と、食材買い付けのため、年に数回、香港、中国に出かけている。

著書
『フライパンでいいんだよーん ー譚さんの中国料理』(文化出版局)
『中国の極うまごはん』(成美堂出版)
『譚 彦彬の本格中華』(別冊山と渓谷)
『赤坂璃宮譚彦彬 ベーシックな中国料理』(ソニーマガジン)

<袁 國星氏プロフィール>
1962年広東省生れ
香港「翠園」で16年修業
1999年10月1日来日、新橋「翆園」料理長就任
2001年ホテル・メトロポリタン・エドモント「廣州」
譚 彦彬(現赤坂璃宮総料理長)の後任として料理長に就任
2008年8月赤坂璃宮銀座店料理長に就任

<参考サイト>

●広東名菜・赤坂璃宮
http://www.rikyu.jp/

●中国料理ウィキペディア
http://ja.wikipedia.org/

●広東料理ウィキペディア
http://ja.wikipedia.org/

<実施概要>

●『7月の広東料理を楽しむ』
〜 赤坂璃宮譚総料理長に聞き、食し、憩う1年 〜

●日時:7月13日(火)19:00〜22:30
18:45 受付開始
19:00 広東料理の楽しみ方を聞く時間
19:15 食事開始
22:00 譚総料理長に何でも質問する「広東料理交流会」
22:30 終了

●会場 広東名菜・赤坂璃宮 銀座店
中央区銀座6-8-7交詢ビル5F 03-3569-2882
http://www.rikyu.jp/ginza.html

●ゲスト
:譚 彦彬氏(赤坂璃宮 総料理長)
:袁 國星氏(赤坂璃宮銀座店 料理長)

●同席:大川善樹氏(赤坂璃宮 専務取締役)

●会費:ギリークラブ会員 14,000円 ビジター 16,000円
(料理代、飲み物代、セミナー代)
会費内でのお酒でも、十分な量とレベルだと思いますが、
別ワインや中国酒などご希望の方には、別料金でアレンジします。

●参加人数:先着順 10名限定

●締め切り:6月30日(それ以前でも満員の際には締め切ることもあります。)

●満員の際にはキャンセル待ちができます。