<GILLIE>株式会社ギリー
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GILLIE CLUB

『1月の広東料理を楽しむ』
〜 赤坂璃宮譚総料理長に聞き、食し、憩う1年 〜


<ご報告>


毎月の広東料理を楽しむ1年、6回目になり、そして2010年になりました。
日本の正月に、一足先に中国の正月を楽しむ会をして頂きました。以下の小林由佳さんのレポートにもありますが、これらの料理は2月14日の「春節」のメニューとしてから味わえるそうです。ぜひ予約して行ってみて、そして味わって下さい。お目出度い年になるように、特に「お金が儲かりますように」という中国人の方の気持ちが込められたメニュー、単に美味しい美味しいだけでなく、そんな願いも込めて味わいましょう。

「美味しいものを食べたらお金が溜まる」
そう、そう考えて今年も生きていきたいものだ、そんな事を思って食べていたら、皆さんそうだったのですね。良い表情をされています。今年も譚さんはじめ赤坂離宮の皆様には大変お世話になりますが、よろしくお願いします。「食から入る中国理解」、粛々と、そしてもぐもぐと進んでいます。どの時期から飛び乗っても楽しいです。まだまだ続きますし、譚さんと行く香港は秋が深まってからと思っています。

小林由佳さんのレポートお読みください。

ご存じのとおり、中国の"お正月"は2月。太陽暦を使う日本や欧米と異なり、太陰暦を使う中国では、今年は2月14日にお正月がやってきます。ちなみに「旧正月」という呼称を使うのは日本だけで、正しくは「農暦新年」といいます。そこで、2010年第一回目となる当会では、譚シェフに広東料理の正月料理をご披露いただきました。各席に置かれたメニューカードには、料理名の漢字表記と読み仮名だけ。「どんな料理か想像してみてください。お正月料理なのでおめでたい言葉を使っています」と譚シェフは言いますが、同じ漢字を使う隣国とはいえ、その内容は見当もつきません。すると「6文字の料理名が多いですね」と発見した人が。譚シェフいわく、中国で偶数は縁起の良いもので、料理名に限らず、皿に盛る料理の個数にもそれは表れるとか。ナルホド、考えてみれば餃子など飲茶の一皿も2個や4個がほとんどですね。
 今回、本国の方々よりも一足先に正月料理をいただく機会に恵まれたギリークラブ。この会で堪能させていただいたお料理は、春節コースとして2月14日から赤坂璃宮のメニューに並びます。美味しくてお金にまつわる縁起満載の料理の数々、オススメです。

●金玉賀満堂江(カム・ヨッ・ホ・ムン・トウ・ホン)
野菜と皮付き豚バラの前菜
毎回一人前づつサービスされる前菜ですが、祝宴ですから福を皆で取り分けるべく大盆で登場。こんがり焼き色のついた皮付き豚バラ肉は、口に入れると脂身がスルリと溶け、肉はふんわり。しっかり味付けされた甘酢漬け野菜との相性もバッチリです。一皿目でコースへの期待を高まらせる味付けと"もうちょっと食べたい"と思わせる絶妙なポーション......毎回、コース冒頭で赤坂璃宮自慢の焼き物師がどんなアレンジを見せてくれるのかは、この会の楽しみのひとつです。

●錦銹飄香妃鳳(カム・サウ・ピィユ・ヒョン・フェイ・フォン)
とりのスパイス煮
"縁起の良いとりが舞い降りる"という意味のこの料理は、三重県の地鶏を丸ごと一羽茹でてあります。昔は赤く色づけして出されたそうです。一羽がキレイに切り分けられ、頭の部分も飾りとして大皿に盛られていますが、これは「頭がついてないと縁起が悪い」から。頭はいちばん位の高い人にサーブされます。針ショウガの効いた甘辛の醤油タレ、ネギたっぷりの塩タレを好みでつけていただきます。冷製の茹で鶏は前菜でもよく登場しますが、今回のこれは格別。骨付きのままカットされた肉は口に入れるとスパイスがほのかに香り、地鶏の味がジワッと広がります。うま味が詰まったきめ細かい肉質を味わうシアワセ感。加熱した鶏肉は冷製にすると固く締まってしまいますが、これは肉の繊維を潰すことなく柔らかく滑らかな口当たりをしっかりと残っています。譚シェフによると、こういうシンプルな味付けの料理を正月に向けて大量に作り、元旦に残ればまた違う味付けをして翌日に出すのだそうです。

●新春鴻圖展翅(サン・チョン・ホン・トウ・チン・チイ)
カニのウチコで色づけしたフカヒレスープ
渡り蟹のウチコで色づけされたスープ。鮮やかなオレンジ色がフカヒレの繊維一本一本を飴色に見せ、渡り蟹の風味が主張します。フカヒレスープはこの会でたびたび登場していますが、譚シェフは毎回異なる具材との組み合わせでこの食材の奥深さを教えてくれます。カニもまた、いろいろな料理となってこの会に登場していますが、品種ごとの香りやクセ、味の違いも、回を重ねるごとに改めて気づかされるもの。「カニ=美味しい」から「この料理にはこのカニの個性が合う」と感じられるようになるのも、幅広い調理法を持つ中国料理だからこそ得られることなのかもしれません。

●萬家福慶虎年(ムン・カー・フォッ・ハン・フー・ニン)
海老とくるみ、野菜の炒め
油で揚げた、椀状のクレープのような皮。これを器に、塩味で炒めた海老、薄い飴炊きのくるみ、生キクラゲや季節の野菜が盛り込まれています。味付けがシンプルなだけに、食材各種の色や食感が直球で訴えかけてくる一品。器の皮はほんのりと甘く、パリパリと手で割りながら塩味の海老や野菜の合間にいただきます。と、ここで大川さんからアドバイスが。「縁起を担ぐ婚礼の席でこういう料理が出たら、この器を割ったり食べたりしてはいけません。中身を食べて下げてもらう(または持ち帰る)のがマナーです」......教えていただいてよかった。知らなかったら残さず食べつくすところでした。

<渡辺注>
私は忠告を聞かず食べつくしてしまいました。これもギリークラブ精神ですから・・・でも、翌朝何も食べられないほど満腹でした。

●發財大利好市(ファッ・チョイ・ダイ・レイ・ホウ・シー)
干し牡蠣の煮込み
この料理名はメ商売が繁盛し、市が立つほど財産に満たされるモという意味。中国のお正月には必ず登場する縁起の良い料理だそうです。要となる干し牡蠣、今回使われているものは譚シェフお手製です。本国では広島産の牡蠣が多く加工されているとか。大皿が運ばれてきた瞬間、干した海鮮独特の香りが部屋に立ち込めます。スープを吸ってふっくらの干し牡蠣、しっとりとした食感の豚の舌、肉厚な干ししいたけと皮付き豚バラ肉に、レタスのシャキシャキ感がアクセント。これに、髪菜(ファー・ツァイ)という中国北西部の山間に生息する水ゴケがたっぷり入ったソースが絡みます。「發財(ファッ・チョイ)と髪菜(ファー・ツァイ)をかけました」と譚シェフ。髪菜は、その名のとおり髪の毛のような、もずくのような珍しい山の幸。これも正月料理によく使われるそうです。譚シェフも「この料理を作ると正月が来たと感じる」ほどの、広東料理における象徴的な正月メニューです。「今回は日本人向けにソフトに仕上げてありますが、本国では、もっときっちり干した、香りと味の強い干し牡蠣が好まれます」。

●年年大福盁餘(ニン・ダイ・フォッ・イエン・ユ)
真ハタの姿蒸し
中国語で「魚(ジン・ユ)」という発音は、"お金が余る"という意味の「金余(ジン・ユ)」と同じ発音のため、お頭付きの魚料理も中国の正月には欠かせない縁起物。"今年も金満でありますように"という願いを込めて、香港では赤ハタが好まれます。今回は脂ののった真ハタを使い、たっぷりの白髪ネギと香菜の香りでシンプルにいただきました。インパクトの強い干し牡蠣に続いた同じ海の幸ですが、こちらはさっぱりと淡泊。皮についたゼラチン質が程良いコクとなっています。

日本のお節は、長寿や家族円満、子宝祈願などさまざまな願いが込められた料理が並びますが、中国のお正月メニューはそのほとんどにメお金持ちになれますようにモという祈願がこめられています。この不思議を譚シェフに聞くと「中国ではお金持ちになることが幸福の象徴ですから」と教えてくださいました。そういえば、中国ではお墓参りにお金を模した紙を持参して焼くという習慣もありますね。

拾捌蘿漢迎春(サッ・パ・ロー・ホン・イエン・チョン)
いろいろなキノコの精進炒め
干し牡蠣、真ハタの料理とこの精進料理が、広東料理の正月料理に欠かせない3品。精進料理は神様を敬う1品として献立に入れるのが常なのだそうです。エリンギ、あわび茸、椎茸など6種類のキノコがそれぞれの美味しさを引き出す厚みにカットされています。これに湯葉やウズラの卵が加わりコクのあるソースが絡み、赤ワインにもピッタリ。さまざまなキノコの食感を存分に楽しめる一皿です。

●聚満賓黄金屋 (チョイ・ムン・ボウ・ウォン・カム・オク)
黄金色の炒飯
卵黄だけを使ったおめでたい黄金色の炒飯です。アヒルの塩タマゴの黄身もプラスしてコクを出します。貝柱と青菜の茎で彩りと食感をプラスしてあり、メ洗練された玉子炒飯モといったところ。食べ終わった皿に油分が残らないほど軽い仕上がりです。中華料理店で炒飯を食べると、全体がパラリと仕上がっているだけで納得してしまいますが、赤坂璃宮の玉子炒飯をよーく観察してみると......玉子が炒り卵状に残ることなく、そして他の具材に絡むことなく、完ぺきにすべてのご飯粒だけをコーティングしていることがわかります。こういうささやかな発見も、そのお料理が美味しくて皿に集中するからこそ気付くものなのでしょう。

●全球景気重生(チョン・カウ・ゲン・ヘイ・チョン・サン)
ゆずの香りの利いた汁粉
大きめの器にたっぷり入った汁粉は、驚くほどユズの香りが利いていて、サラリと甘さ控えめ。中央には闇夜の満月のように白玉が浮かんでいます。汁粉の温度を低く、白玉はアツアツ。ただし、これは白玉を最後まで大事にとっておいた人(←私)にはわからなかった仕掛けです。本国のこのデザートはもっと甘いそうですが、お料理で満腹の胃には程よいさっぱり感でした。

●合家齋灌湯圓(ハッ・カ・ツァイ・フン・ティユン・ユン)
ゆず風味のカステラとお餅のお菓子
ゆず風味のモチモチ感のある蒸しカステラは餡子入り。さわやかな鶯色で品のいい甘味です。中国で「餅(ネン・カオ)」は「年高(ネン・カオ)」と発音が同じことから、年を重ねるごとに位が高くなることを願って食べられる縁起物。この餅菓子はねっとりとしたういろうのような食感で、こちらも甘さ控えめでした。

中国のお正月料理と聞いて絢爛豪華をイメージしていたのは私だけではなかったハズ。しかし今回は意外とシンプル。コース全般をみなさん粛々といただいた、という印象です。これを、帰り道ご一緒した参加者の方にお話ししたら、「日本のお節料理も同じではないでしょうか。年の初めを祝うお料理っていうのは、メ感動モというより"感謝"を込めていただくものですからね」と話してくださいました。うーん、これには強烈に納得。そして中国のお正月料理"必須の3品"を知ったことも、今回の大きな発見でした。馴染みがあるのにまだまだ知らないことばかりの広東料理。でもこの会で美食を堪能しつつ中国の方々の考え方や価値観を少しづつ学べているのは確かです。

「次回はクエ一匹をいろいろな料理にしてみたいと思っています」という譚シェフの予告に胸躍らせながらの解散時、参加者には、会食中に注文しておいた中華肉まんが手渡されました。赤坂璃宮特製、毎日現定数しか作られないそうですが、これもまたシンプルで美味しい! 毎回この会のお土産話だけで我慢していた家族には大好評でした。


金玉賀満堂江
(カム・ヨッ・ホ・ムン・トウ・ホン)
野菜と皮付き豚バラの前菜

 
 
 

錦銹飄香妃鳳(カム・サウ・
ピィユ・ヒョン・フェイ・フォン)
とりのスパイス煮

 
 
 

新春鴻圖展翅(サン・チョン・
ホン・トウ・チン・チイ)カニの
ウチコで色づけしたフカヒレスープ

 
 
 

萬家福慶虎年(ムン・カー・
フォッ・ハン・フー・ニン)
海老とくるみ、野菜の炒め

 
 
 

發財大利好市(ファッ・
チョイ・ダイ・レイ・ホウ・シー)
干し牡蠣の煮込み

 
 
 

年年大福盁餘(ニン・ニン・ダイ・フォッ・イエン・ユ)
真ハタの姿蒸し

 
 
 

拾捌蘿漢迎春(サッ・パ・
ロー・ホン・イエン・チョン)
いろいろなキノコの精進炒め

 
 
 

聚満賓黄金屋(チョイ・
ムン・ボウ・ウォン・カム・オク)
黄金色の炒飯

 
 
 

全球景気重生(チョン・
カウ・ゲン・ヘイ・チョン・サン)
ゆずの香りの利いた汁粉

合家齋灌湯圓(ハッ・
カ・ツァイ・フン・ティユン・ユン)
ゆず風味のカステラとお餅のお菓子

これは当日皆が「罪滅ぼし土産」として購入した赤坂璃宮特製の肉マンです。
家で後日食べましたが、美味しかったぁ!

<ご案内>

中国のお正月は旧正月になりますが、ご存知のように日本の1月は特別な月です。

新年最初の会として相応しいメニューを考えて頂いていますが、赤坂璃宮さんからは広東語だけでメニューが届きました。さて、どんな料理なのでしょうか?なんともお目出度い感じですね。

今までの会で、味は抜群、サービス超一流の赤坂璃宮さん、安心して全てをお任せしていますが、そんな素晴らしい広東料理で1年の幕開けを切りましょう。

少人数で恐縮ですが、1卓のみで行います。初めての方、お一人の方も全く問題ありません。お待ちしています。

今回のメニューです。

金玉賀蕃堂紅 カム・ヨッ・ホ・ムン・トウ・ホン
錦綉栗風香妃鳳 カム・サウ・ピィュ・ヒョン・フェイ・フォン
新春鴻冬展翅 サン・チョン・ホン・トウ・チン・チイ
萬家福慶虎年 ムン・カー・フォッ・ヘン・フー・ニン
發財大利好市 ファッ・チョイ・ダイ・レイ・ホウ・シー
年年大福盆餘 ニン・ニン・ダイ・フォッ・イェン・チョン
拾捌羅漢迎春 サッ・パ・ロー・ホン・イェン・チョン
取満賓黄金屋 チョイ・ムン・ボウ・ウォン・カム・オク
全球景気重生 チョン・カウ・ゲン・ヘイ・チョン・サン
合家勸夷圓 ハッ・カー・ツァイ・フン・ティユン・ユン


過去の会の様子がここにあります。お時間があればご覧になって下さい。
(写真もあります)
http://www.gillie.co.jp/g_club/seminar2009/0818.shtml
http://www.gillie.co.jp/g_club/seminar2009/0916.shtml
http://www.gillie.co.jp/g_club/seminar2009/1014.shtml
http://www.gillie.co.jp/g_club/seminar2009/1111.shtml
http://www.gillie.co.jp/g_club/seminar2009/1202.shtml

<参考サイト>

●広東名菜・赤坂璃宮
http://www.rikyu.jp/

●中国料理ウィキペディア
http://ja.wikipedia.org/

●広東料理ウィキペディア
http://ja.wikipedia.org/

<実施概要>

●『1月の広東料理を楽しむ』
〜 赤坂璃宮譚総料理長に聞き、食し、憩う1年 〜

●日時: 1月13日(水)19:00〜22:30
18:45 受付開始
19:00 広東料理の楽しみ方を聞く時間
19:15 食事開始
22:00 譚総料理長に何でも質問する「広東料理交流会」
22:30 終了

●会場 広東名菜・赤坂璃宮 銀座店
中央区銀座6-8-7交詢ビル5F 03-3569-2882
http://www.rikyu.jp/ginza.html/

●ゲスト
:譚 彦彬氏(赤坂璃宮 総料理長)
:袁 國星氏(赤坂璃宮銀座店 料理長)

●同席:大川善樹氏(赤坂璃宮 専務取締役)
●会費:ギリークラブ会員 14,000円 ビジター 16,000円
(料理代、飲み物代、セミナー代)
会費内でのお酒でも、十分な量とレベルだと思いますが、
別ワインや中国酒などご希望の方には、別料金でアレンジします。

●参加人数:先着順 10名限定

●締め切り:1月7日(それ以前でも満員の際には締め切ることもあります。)

●満員の際にはキャンセル待ちができます。