ご案内中のセミナー(トップページ)2011年セミナーカレンダー|8月15日(月)

セミナーご案内

歌舞伎鑑賞&役者との交流会
〜第17回稚魚の会・歌舞伎会合同公演〜

セミナーご案内

ギリークラブの中で、日本文化シリーズを特に、「和・倶楽部」と称しています。
自国の文化を愛したい、学びたいと思う真摯な集まりです。もちろん、超初心者が対象です。

国立劇場が昭和四十五年から実施してきた歌舞伎俳優の新人研修は、すでに十九期にわたり修了生を送り出し、数多くの俳優が現在歌舞伎界で活躍しています。彼ら研修修了生たちによる「稚魚の会」、そして一般名題下を中心とした既成俳優たちから構成される「歌舞伎会」の両会が日ごろの修練の成果を発揮する場として、毎年八月に合同公演として開催しています。今や盛夏の風物詩ともなりました熱気に充ちた舞台、さらにこの経験が生かされる彼らの今後の飛躍にご期待下さい。

 今回の企画は公演鑑賞の後に、出演俳優との交流食事会を実施、普段なかなか聞くことの出来ない歌舞伎の世界の厳しさや鑑賞の楽しさなどを学ばさせて頂き、今後も微力ながら応援させて頂こうという企画です。

8月15日はお盆真っ盛りですが、逆にお休みの方が多いのではないかと思い、この日に設定しました。この公演自体は8月13日(土)〜16日(火)まで、毎日10:30の回、16:00の回と2回公演です。この日が駄目な方はどうぞご都合の良い日のチケットをご入手下さい。

国立劇場チケットセンター(10時〜5時)
0570-07-9900 03-3230-3000

国立劇場の方、役者の方とお話をしていて「日本文化超初心者のための会」を始めた時の自分の志を思い出し、この出会いを通じてもっと深く歌舞伎の世界に入れるのではと感じています。

奮ってのご参加お待ちしています。楽屋見学、公演、そして交流、ギリークラブらしい流れです。素晴らしい芸能、そして人と出会える場です。

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<参考>

<歌舞伎を知るためのサイト>

●日本芸術文化振興会(国立劇場)
http://www.ntj.jac.go.jp/

●伝統歌舞伎保存会
http://www.kabuki.or.jp/

●歌舞伎・演劇
http://www.shochiku.co.jp/play/

●文化デジタルライブラリー
http://www2.ntj.jac.go.jp/dglib/

●日本俳優協会
http://www.actors.or.jp/index2.html

●今回公演情報
http://www.ntj.jac.go.jp/schedule/

★作品内容&見どころ:中村梅之さんに書いて頂きました。お読みください。

『寿曽我対面』


 曽我十郎・五郎の兄弟が、父を殺した敵、工藤祐経に「対面」する---。

 歌舞伎『寿曽我対面』は、ただそれだけの場面を描いた、1時間にも満たない演目です。
 「対面」するだけで、敵討ちはありません。兄弟の苦難の日々も描かれません。ただ、敵を討つ者と討たれる者が出会い、後日の再会と勝負を約束して、それで終わり…。

 「それで芝居になるの?」と思われるかもしれませんが、実はこの作品こそ、歌舞伎のエッセンスがたっぷり詰まった、『ザ・歌舞伎』なのです。

 歌舞伎に登場する典型的な<役柄>と<演技法>が、全てこの芝居にはあります。荒々しい若さを表す『荒事』、やさしくおっとりした色気を表す『和事』、貫禄、誠実さを表す『実事』、おかしみの『道化』、憎しみの『敵役』、そして歌舞伎の華の『女方』。

 細くあげればもっと多くなるのですが、舞台に居並ぶ登場人物は、これらの演技法を歌舞伎独自の音楽(囃子・三味線)に合わせながら演じます。

 江戸の庶民は、曽我兄弟の<富士の裾野の仇討>、<忠臣蔵>、荒木又右衛門の三十六人斬りで有名な<伊賀越の仇討>という「三大仇討」の中でも、幼いながらも艱難辛苦を乗り越え見事本懐を果たした曽我兄弟に深い愛着をもち、歌舞伎では古くから「曽我もの」とよばれる狂言が無数に生まれ、毎年1月に上演されるのが慣わしとなり、大いにもてはやされました。

 『寿曽我対面』もそのなかのひとつですが、長い歴史のなかでその演出が洗練され、もう手の加えようがないほどの様式性を確立しました。そしてその様式性が、この芝居をひとつの「儀式」ともいってもよいほどの祝祭性と華麗さを生み、単純極まりないストーリーを大変魅力あるものとしていますので、大らかにゆったりとご見物頂きたく存じます。

『一條大蔵譚』


 『一條大蔵譚』は、『寿曽我対面』とは違い、重厚なストーリーをもった作品です。

 源義朝の妻、常磐御前は、夫をはじめ源氏一門を滅ぼした平清盛に強引に妻とされ、さらには都一番の阿呆といわれる公家、一條大蔵長成に下げ渡されてしまいます。義朝の家臣、吉岡鬼次郎と妻のお京は、常磐御前の動向を密かに探り、源氏再興の意志があるかないかを確かめますが、夫が阿呆なら妻も遊興三昧と、全くその気を見せません。

 怒りに任せて鬼次郎が常磐御前を折檻すると、初めて明かされる常磐御前の心中、そして一條大蔵卿の真実の姿とは…?

 この作品は、人形浄瑠璃(文楽)として初演されたものが、後に歌舞伎に移された作品です。歌舞伎オリジナルの作品とは違い、人形浄瑠璃が原作の芝居は、上方で生まれた<義太夫節>がナレーター役として物語を進行し、太棹の三味線に合わせて台詞を言い、演技をする<義太夫狂言>です。

 その演技術は、先ほどの『寿曽我対面』とはまた違ったものとなり、登場人物を典型的な<役柄>で分ける『寿曽我対面』に対し、『一條大蔵譚』をはじめとする<義太夫狂言>では、役のひとつひとつがおかれた状況や、<性根><肚>というものを重んじ、現代劇とは違う形での心理描写を、あくまで古典の様式で演じるのが眼目です。じっくりと筋を運ぶコクのある演技演出を堪能して頂きたく存じます。

『戻駕色相肩』


 菜の花咲き乱れる京都紫野で、一服中の駕篭かき二人。乗せてきた可愛い禿の前で、それぞれが生まれ育った江戸と浪花の色町自慢に興じ、恋のたて引き、痴話喧嘩の有様を面白おかしく語りますが、実は二人の正体は、大盗賊石川五右衛門と、後に天下人となる真柴久吉(史実の羽柴秀吉、つまり豊臣秀吉ですね)。本性を表した二人は激しく斬り結ぶ…。

 なんとも荒唐無稽、ありえないようなストーリーですが、歌舞伎が爛熟を迎え始めた天明期に生まれたこの作品には、江戸時代の庶民の"洒落っ気""遊び心"があふれています。歴史上の偉人、有名人であろうと、面白おかしいキャラ設定にして笑いの対象にしてしまう発想の自由さは、現代には果たして残っているでしょうか?
 歌舞伎舞踊の面白さは、あくまで役者が“芝居”として踊るところにあります。日本舞踊家が振り重視なら、歌舞伎役者は振りと振りの間を、その役としてどう埋めるか、膨らますかに力を入れます。

 いわば演者の持つ<味>を楽しむのが歌舞伎舞踊。飛躍したストーリーをいかに“それらしく”演じるか。理屈抜きの舞踊劇を理屈抜きに楽しんで頂きたく存じます。

 先ほど、『一條大蔵譚』が上方の<義太夫節>によって語られることを申し上げましたが、こちら『戻駕色相肩』は、江戸で生まれた<常磐津節>が用いられます。義太夫節の語り口が重厚真面目なら、常磐津節は軽妙洒脱。三味線も、義太夫節が<太棹>、常磐津節は<中棹>で、仕様が違えば音色も旋律も全く変わります。  『寿曽我対面』では、<細棹>の三味線が使われますので、三様の三味線の音色を是非聞きくらべるのも一興かと存じます。

 古式ゆかしき『寿曽我対面』にはじまり、じっくり物語を味わう『一條大蔵譚』、最後は理屈抜きに派手な踊り『戻駕色相肩』。気軽に楽しむコース料理のように、歌舞伎の様々な要素にいっぺんに触れることができるプログラムとなりましたので、皆様、肩肘張らずにご来場頂き、楽しんで頂きたく存じます。

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実施概要

歌舞伎鑑賞&役者との交流会
〜第17回稚魚の会・歌舞伎会合同公演〜
日時 8月15日(月)
16:30 受付開始
17:00 歌舞伎観賞
「寿曽我対面」(ことぶきそがのたいめん) 工藤祐経館の場
「一條大蔵譚」(いちじょうおおくらものがたり)大蔵館奥殿の場
「戻駕色相肩」(もどりかごいろにあいかた)常磐津連中
会場 国立劇場(半蔵門)
(国立劇場への行き方)
http://www.ntj.jac.go.jp/gekijo/kokuritsu/index.html#access
参加費 ギリークラブ正会員 4,500円 ビジター5,500円
(チケット代、謝礼・諸経費分担金)
正会員の方優先、先着順で申し受けます。
交流・飲み会会費は当日集金します。
参加人数 10名
希望者多数の場合には可能な限り増枠します。
ご意向お聞かせ下さい。
締切 7月31日(それ以前でも満員の際には締め切ることもあります。)
※満員の際、キャンセル待ちは可能です。

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