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『レオニー』の松井久子監督と語る会

<ご案内>

松井久子監督作品『レオニー』が11月下旬に公開され、映画観賞&松井監督と語る会を実施しましたが、場所が新宿、年末、金曜日、忘年会・・・という事で、静かに話が出来ませんでした。

何名かの参加者の感想を載せますが、とても良い会だったのですが、聞き足りなかったのも事実、よって松井監督にお願いして、再度語る会を設定します。

少人数で、ゆっくりお話を伺いたい、そんな映画なのです。

まだご覧になっていない方は、ぜひ映画館に行かれて、そしてこの日に臨んで頂ければと思います。参加できないけれど松井監督へのメッセージや質問などあれば、渡辺にお送り頂ければ、責任を持ってお渡しします。

年末ギリギリの開催ですが、都合をつけてのご参加お待ちしてます。

<先日、映画を観て監督と語る会参加者の感想メール>(抜粋)
★映画、興味深かったです。とりわけ、「幸せ」とは何であろうかと改めて考えさせられた内容でした。
というのは、私自身、自分の生きたいように生きたいという願いを持つ反面、人から必要とされたい、役立ちたい、という願望をもっております。要は、自分にとって調度良い接点はどこなのかと。
今回、松井監督の映画を通じて、自分を見つめなおす“きっかけ”をもらったような気がしています。
また、内容もなることながら音楽もよかったでの、早速、「レオニー・サントラ」購入しました。届くのが楽しみです。

★松井久子監督ご自身も素敵な大人の女性で、メッセージ性の強い映画作りをされながらも、とても気さくで大らかなお人柄であるのが魅力的でした。
私は「イサム・ノグチ」ファンということから映画に関心を持ちましたので、まずはレオニーと息子イサムとの関係、イサムの成長を主軸として観ていました。あの時代に日米のハーフとして、どちらも真の拠り所とはならないままに両国を行き来した少年時代のイサム。レオニーが彼のふるさとそのものとして、強く大きな愛情で包み込んでいるところが胸を打ち、(しかも仕事と両立させているし!)私も子どもを育ててみたかったなあ、と心から思いました。
仕事でがんばっている30代の女性が観たら、子どもも育てながら仕事をしていく勇気を与えられるんじゃないかな、と思います。ちょっとやそっとの困難は、乗り越えていけそうな元気をもらえる映画です。
また、カメラワークや照明がヨーロッパ映画のような質感で、日本の風景がしっとりと美しく撮られており、丸窓からのぞむ富士山も素敵でした。筆で欧文を書いた題字の「LEONIE」が、自然にイサム・ノグチにつながる印象を持っていた点もよかったと思います。
人によって受け取り方がいろいろある、懐の深い映画だと思いますが、後悔を恐れずに自分の意志を持って潔く生きることの美しさ、愛情があればいかなる困難も乗り越えることができるということ、これらは多くの人々に伝わることと思います。
ただ、イサムがレオニーの死に際に間に合わなかったことは(事実なのでしょうか)やはり残念で、こればかりは心残りです。良い映画に出会えたことを幸せに思います。多くの人に見ていただきたいですね。

★本当に楽しい有意義な時間を過ごせました。
素晴らしい映画を鑑賞して感動し、その後監督と直接お話できる機会なんて滅多にある事ではありません。
松井監督の包容力がありながら、どこか凛としたたたずまいに触れ、その魅力が映画にも反映されていると感じました。
またお話し出来る機会をいただけるとしたら、過去作品も含め、決して商業的な作品ではないこの作品を構想から資金集め製作まで、どのように実現していったのか、その辺りをじっくりお聞きしたいと思います。
もし長時間の場をもうけていただけるのなら、事前に質問を募っていただいて、あらかじめ監督が回答を用意していただけると、その回答についてまた深い会話が交わせるのかなと思います。ご検討いただければ幸いです。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします!

★楽しいひとときをありがとうございました。
監督と直接お話しできる機会なんてめったにないのでとても楽しかったです。また松井監督自身も本当にチャーミングな方で素敵でした。ぜひ「レオニー」をまわりの人々に伝えていきたいと思います。本当にありがとうございました。

★松井監督のお話を伺って、レオニーと監督の生き様がダブってしまいました。
見終わった直後は、とても複雑な心境になりました。 (色々な視点で観て、感じることができる映画という印象)
レオニーの自分の意思を貫く女性の強さを感じれば感じる程男性に守られた生き方の方が幸せなのかなぁ〜と思ってみたり。音楽も素敵でした。
イサム・ノグチの妹さんの父親が誰なのか判りませんでしたが、レオニーが、子育てをしていく中で、結婚はできなくても別の男性の優しさにすがってみたくなる瞬間があってもそれは、罪とは言えないし、その後、自己責任において、出産、育てていく女性の逞しさは、凄いと思いました。
松井監督は、特に30代の女性に観て欲しいとおっしゃっていましたが、私の職場には、離婚して6歳の子供を育てている女性や2人の子供を出産して復職した女性、38歳で産休に入った女性などなど色々な人がいます。働く女性の‘応援歌’のような一面もある映画だと思いました。 (この映画を観て、出産にチャレンジしようという女性が増えるといいのかもしれませんね。)
もっと、男性の感想を聞いてみたかったです。(明日出勤したら、早速、部長にパンフレットを渡して報告しようと思います。この会に参加したいと言っていた方さんには、感想をメールで送ろうと思っています。)人間の幸せって、女性の幸せって、生きるって、色々な事を感じました。
■‘偉大な芸術家には、偉大な母あり’■
次回の松井監督との会で、もっと自分の意見が言えるように整理できていたらいいなと思います。

★映画が好きなので、私自身はとくに「ノグチ・イサム」もよく知らなかったですし(ノグチヒデオの医学系はよく知ってますが(笑))ただ、あの頃の一人の人間を追いかけた人生ドラマ?意外に好きなので、そんな気持でまずでかけました。
全体の感想と印象は、とにかく皆さんがおっしゃることだとは思いますが、日本映画としては(失礼な言い方かもしれませんが)映像の美しさと音楽のよさが際立っていたと思います。国際映画、どの国で上映してもよいものでしょうね。非常に綺麗で素敵な映画でした

<「レオニー」とはこんな映画>

彫刻家イサム・ノグチを育て、
自らも波乱の時代を生き抜いた一人のアメリカ人女性
レオニー・ギルモアの生涯。

<参考サイト>

●『レオニー』オフィシャルサイト
http://www.leoniethemovie.com/

<映画『レオニー』、情報いろいろ>

20世紀初頭のニューヨーク。これからは女性も仕事を持って生きる時代と、文学の道に進む夢を持ち、希望に満ちた人生が待っていたはずだったレオニー。しかし、一人の日本人の青年との出会いによって彼女の人生は波乱に満ちたものとなっていく・・・。レオニーは彼を愛し妊るが、男は一方的に日本へ帰国してしまう。シングルマザーとなった彼女は、子供とともにアメリカと日本の二つの国で、困難な時代を生き抜いていく――。我が身の不幸を嘆くよりも、潔く運命を引き受け、自分らしく生きていこう。それが彼女の信念であり、また我が子に伝えたいたった一つのことだった。イサムと命名された子供は、長じて「地球を彫刻した男イサム・ノグチ」として世界中にその名を知られる芸術家へと成長していく。
 自らの意志の力で未来を切り拓いて行くレオニーの生き方は、現代に生きる人々にも共感を呼ぶ。そして多くの人々の心を打ち、勇気と感動を与えてくれるだろう。


国境を越え、時代を超えて、
世界中の人々の心に届く映画を。

 『ユキエ』『折り梅』で家族の絆を描き、のべ200万人を動員、日本中を感動で包み込んだ松井久子監督。3作目は世界の観客に感動を届けたいと、果敢に選んだ題材はイサム・ノグチの母レオニー・ギルモアの物語だった。ドウス昌代の「イサム・ノグチ?宿命の越境者」に感銘を受け、推敲を重ねた脚本は14稿、作品完成までの道のりは7年に及んだ。その松井久子の熱意に、『ムーンライト・マイル』など100本以上の映画を手がける、プロデューサーのアショク・アムリトラジをはじめ、フランス・セザール賞の撮影監督永田鉄男や、アカデミー賞に輝く作曲家ヤン・A.P.カチュマレクなど世界で活躍する一流の映画スタッフが集結し、日米13都市にわたるロケ地での撮影を敢行。日本の美しい四季とアメリカの広大な風景の中で繰り広げられる、切なくも力強い、一人の女性の人生を描いている。詩情漂うシーンが折り重なり、見終わったとき自然と暖かな涙が溢れる感動作を作り上げた。


実在した一人の女性の人生を、
さらにドラマチックにする豪華キャスト陣。

 主人公のレオニー役に抜擢されたのは、『マッチポイント』『シャッター アイランド』などに出演し、アメリカと母国イギリスで「若き演技派」と注目されているエミリー・モーティマー。レオニーが愛した男、野口米次郎には歌舞伎のみならず、映画、TVドラマ、CMなど幅広く世界へ向け活躍し続けている中村獅童。そして、彼らに様々な影響を与える登場人物にも、原田美枝子、吉行和子、竹下景子、柏原崇、大地康雄といった実力派キャストが名を連ねている。また、友情出演として中村雅俊が参加。さらに、米人気TVシリーズ「マッド・メン」で人気急上昇のクリスティーナ・ヘンドリックス。レオニーの母親には、『レインメーカー』『マルコヴィッチの穴』などで知られるメアリー・ケイ・プレイス。イサム・ノグチを彷彿とさせる彫刻家役を舞踊家・勅使川原三郎が演じるなど、日米合作にふさわしい豪華俳優陣が集結し、物語をよりドラマチックに仕立てている。


<物語>

100年前、ひとりで日本の地を踏み、天才を育てた女性がいた。彼女の名はレオニー。
 1901年??フィラデルフィアにある名門女子大ブリンマー大学を卒業したレオニー・ギルモアは、編集者になりたいとの夢を捨てきれないまま、ニューヨークに戻り、教鞭をとっていた。
 そんなある日、新聞で編集者募集の三行広告を見つけ、雇い主の日本から来た神秘的な青年詩人ヨネ・ノグチ(野口米次郎)に出会う。レオニーとの共同作業で英語の詩や小説を発表したヨネは、一躍米英文壇の寵児として脚光を浴びた。彼の詩才に魅せられたレオニーのときめきは、いつしか恋愛感情へと移行して、若い二人は結ばれる。
 ところが、恋人の妊娠を知ったヨネは喜ばず、レオニーを置き去るように日本へと帰国してしまう。レオニーは失恋の悲嘆に暮れるが、やがてヨネへの未練を潔く断ち切り、自らの愛の証しとして「出産」を決意する。母の勧めでカリフォルニアに移り住み、男子を産んだレオニーは、貧しくとも穏やかな日々を送っていた。が、折しも小国日本が大国ロシアを負かした時期、日本人への人種差別が激しくなりレオニー母子の心にも影を落とす。一方ヨネからは、日本への誘いの手紙が頻繁に届いていた。レオニーは子供の未来を想い、ヨネの誘いを受けて日本に行くことを決意する。母親は「言葉も分からない異国に子連れで行くなんて」と猛反対したがレオニーの気持ちは変わらなかった。

 横浜港にはヨネが出迎え、初めて見る3歳のわが子に「イサム」と名づけた。ヨネは、母子の住まいを用意し、レオニーが英語を教えて暮らしがたつようにと、3人の生徒を集めていた。レオニーには風俗習慣の違う日本の暮らしは戸惑うことが多かったが、東洋の文化と自然の美しさに魅かれていく。そんなある日、ヨネに正式な日本人の妻がいることを知らされ、激しい怒りにかられたレオニーは家を出る。その後、小泉八雲の妻セツと知り合い、身を寄せていたが、親友のキャサリンから母の死を知らせる手紙が届く。異国での働きながらの子育てはますます過酷で孤独なものとなっていた。そんな時、レオニーはお腹に新しい命が宿っていることを知る。無事に女児を出産したレオニーを、ヨネは「ふしだらな女」となじり、父親は誰かと問い詰める。しかし、レオニーはアイリスと名づけた娘の父親の名前をけっして明かそうとはしなかった。

 イサムはここでも差別を受けているのだろうか。不登校の日々を送るイサムのためにレオニーは家を建てることを決意する。家の設計を任されたイサムは、富士山がより美しく見えるようにと、母親に「丸窓」を贈る。このとき母親レオニーは、我が子の類い稀なる芸術的才能を確信したのだった。

 成長したイサムは、アメリカに行きたいと願うようになる。そんなイサムに対して、レオニーは息子の才能の開花を信じてアメリカへ単身で送り出した。
 しかし、第一次大戦が勃発し、日本も戦時下になると、イサムからの手紙は届かなくなり、通っていた学校も閉鎖、母子の連絡は途絶えてしまう---。
 数年後、アイリスを連れてアメリカに戻ったレオニーは、イサムがニューヨークで医師になるために学んでいることを知る。「医者になどなっては駄目。あなたは芸術家になるために生まれてきたのよ」母の強い説得でアーチストへの道を選んだイサムは、やがて新進の彫刻家として頭角を表し始め、小さいながらも初めての個展を開く。
 二人の子供たちはなんとか育ち上がった。二人ともそれぞれに自分の人生を歩んで行くことだろう。私はもう、何も思い残すことはない。老いたレオニーは、子供たちと生きることを拒否し、自然のなかで一人自分自身のために生きたいと、メリーランドの田舎へと向かう---。


<キャスト>

エミリー・モーティマー レオニー・ギルモア 役
1971年12月生まれ、ロンドン出身。
オックスフォード大学で英語とロシア語を学び、在学中にモスクワ・アーツ・シアター・スクールに留学し演技を学ぶ。1995年、イギリスのTVシリーズ「THE GRASS VIRGIN」でデビュー。1996年、『ゴースト&ダークネス』でスクリーンデビュー。
『LOVELY AND AMAZING』(2001)でインディペンデント・スピリット賞受賞。
『猟人日記』でロンドン映画批評家協会賞助演女優賞にノミネートされている。
近年の代表作は、『Dearフランキー』(2004)、『マッチポイント』(2005)、『ピンクパンサー』(2006)、『ラースと、その彼女』(2009)、『シャッター アイランド』(2010)など多くの話題作に欠かせない役柄で頭角を表し、イギリス、ハリウッドの両方で活躍中。
また、『ハウルの動く城』(2004)の英語版では、若い時のソフィーの声を担当している。

中村 獅童 野口米次郎 役
1972年9月生まれ、 東京都出身。
祖父は昭和の名女形 三世中村時蔵。叔父に萬屋錦之介、中村嘉葎雄。
8歳で歌舞伎座初舞台、2003年に『義経千本桜』にて初主演。
本名で受け、オーディションで採用された『ピンポン』(2002)で日本アカデミー賞、ゴールデンアロー賞などの各新人五冠を達成。さらに、『阿修羅のごとく』(2003)で日本アカデミー賞優秀助演男優賞を受賞した。その後も『アイデン&ティティ』(2003)、『男たちの大和』(2005)など一作ごとに異なる役柄に挑戦。ジェット・リー主演『SPIRIT』(2006)、クリント・イーストウッド監督『硫黄島からの手紙』(2006)、ジョン・ウー監督『レッドクリフ』シリーズ(2008〜)など、その活躍は世界へとはばたいている。
本作の野口米次郎役は、今までに演じたことのない役どころとして意欲をみせている。

原田美枝子 津田梅子 役
東京都出身。
1974年『恋は緑の風の中』で映画デビュー。『大地の子守歌』、『青春の殺人者』(1976)で早くもその個性と演技力が注目され、ブルーリボン賞新人賞などを受賞。以後、『乱』(1985)、『火宅の人』(1986)、『絵の中のぼくの村』(1998)などの名演技で数々の映画賞に輝く。『愛を乞うひと』では、日本アカデミー賞主演女優賞をはじめその年の主演女優賞を総なめにした。最近は、『折り梅』、『OUT』(2002)、『?しぐれ』(2005)、『THE有頂天ホテル』(2006)、『ブタがいた教室』(2008)、『60歳のラブレター』(2009)など、大作から良質な作品まで出演、幅広い客層から支持を得ている。

竹下景子 小泉セツ 役
1953年9月生まれ、愛知県出身。
東京女子大学卒業、NHK「中学生群像」出演を経て、1973年NHK銀河テレビ小説「波の塔」で本格的デビュー。『男はつらいよ』シリーズのマドンナ役を3度務め、『学校』(1993)では第17回日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞。2007年、舞台「朝焼けのマンハッタン」「海と日傘」で、第42回紀伊国屋演劇賞、個人賞を受賞。テレビ・映画・舞台での活躍の他、2005年日本国際博覧会「愛・地球博」日本館総館長をはじめ、「世界の子どもにワクチンを日本委員会」ワクチン大使、国連WFP協会(国連世界食糧計画)顧問など幅広く活動している。また、スタジオジブリ作品『借りぐらしのアリエッティ』(2010)では貞子役で声の出演もしている。

柏原崇 川田道彦 役
1977年3月生まれ、山梨県出身。
1993年第6回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストでグランプリを受賞。翌年、TVドラマ「青春の影」で俳優としてデビュー、1995年映画『Love Letter』でスクリーンデビュー。同年の日本アカデミー賞新人賞を受賞する。TVドラマ「白線流し」(1996)で不器用な優等生・長谷部優介役を好演。その後は「白夜行」(1996)、「ハチミツとクローバー」(2008)などTVでも活躍する一方、映画では『相棒-劇場版-絶体絶命!42.195Km東京ビックシティマラソン』(2008)、『劇場版 カンナさん大成功です!』(2009)などに出演。また、日本アカデミーで作品賞に輝いた『沈まぬ太陽』(2009)では恩地克己役を務め話題となった。

勅使川原三郎 彫刻家 役
1953年9月生まれ、東京都出身。
クラシックバレエを学んだ後、1981年より独自の創作活動を開始。1985年、宮田佳と共に KARASを結成。類まれな造形感覚を持って舞台美術、照明デザイン、衣装、音楽構成も自ら手がける。そのかつてない独創的な舞台作品は、ダンス界にとどまらず、あらゆるアートシーンに衝撃を与えるとともに、国際的に高い評価を得る。「ガラスノ牙」で2006年度芸術選奨文部科学大臣賞、2007年「Bones in Pages」でベッシー賞(アメリカ)、「ミロク」で2007年度舞踊批評家協会賞を受賞。近年では、2009年に紫綬褒章、2010年には日本ダンスフォーラム賞を受賞している。映像、美術などの作品も手がけ、独創的な世界観は留まることなく広がっている。

吉行和子 キク 役
東京都出身。
高校卒業後、劇団民芸付属の研究所に入所。1956年、「アンネの日記」で舞台デビュー。その後、「蜜の味」(1974)で紀伊国屋演劇賞を受賞。同じく舞台「小間使いの日記」(1983)など一人芝居でも高い評価を得ている。一方、映画は1955年『由紀子』でデビュー。1960年に『にあんちゃん』『才女気質』の演技で毎日映画コンクール助演女優賞を獲得。1978年、大島渚監督作品『愛の亡霊』に主演し、日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞。さらに、2002年に松井久子監督作品『折り梅』などに出演し、毎日映画コンクール田中絹代賞も受賞した。2008年にはアカデミー賞外国語映画賞に輝いた『おくりびと』にも出演。日本を代表する女優の一人である。

中村雅俊 仙田 東舟 役
1951年2月生まれ、宮城県出身。
大学在学中、文学座研究所に入所。1974年にTVドラマ「われら青春!」主役に抜擢されデビュー、同年のエランドール賞を受賞する。自らが歌った挿入歌「ふれあい」は100万枚を超える大ヒットとなる。以後、「俺たちの旅」(1975?1976)、「ゆうひが丘の総理大臣」(1978?1979)など青春ドラマの主人公を演じ、一躍人気俳優に。映画でも『ふれあい』(1974)でスクリーンデビュー以降、『夜逃げ屋本舗』シリーズ(1992、93、95)、『HINOKIO』(2005)、『アメリカンパスタイム 俺たちの星条旗』(2007)、『60歳のラブレター』(2009)などに出演。俳優、歌手として活躍している。

大地 康雄 大工の棟梁 役
1975年、TVドラマ「剣と風と子守唄」で俳優デビュー。そして、1979年『衝動殺人・息子よ』で映画デビューを果たす。その後『マルサの女』(1987)でその圧倒的な演技力を印象づけ、伊丹十三監督作品に欠かせぬ存在となる。『マルサの女2』、『バカヤロー/私、怒ってます』(1988)などの演技で毎日映画コンクール助演男優賞、『病院に行こう』(1990)で日本アカデミー賞助演男優賞、さらに『砂の上のロビンソン』(1989)ではアジア太平洋映画祭主演男優賞を受賞した。『?しぐれ』(2005)、『武士の一分』(2006)といった時代劇でも重厚な演技を披露している。

クリスティーナ・ヘンドリックス キャサリン 役
1975年5月生まれ、テネシー州出身。
2007年に始まったAMC制作のTVドラマ「マッドメン」で、多くの男性を魅了するジューン・ホールウェイを演じ脚光を浴びる。その他に、「エンジェル」(2000)、「ER緊急救命室」(2002)、「トゥルー・コーリング」、「コールドケース」(2005)などTVドラマで活躍する中、2010年には映画『Life as We Know It』に出演することも決定し、今後注目される若手女優である。

メアリー・ケイ・プレイス アルビアナ 役
1947年9月生まれ、オクラホマ州出身。
監督、脚本家、歌手、そして女優と幅広い活動をみせ、歌手としてはアルバムをリリースし、1976年にはグラミー賞の候補になる。女優として1977年にTVシリーズ「Mary Hartman,Mary Hartman」でエミー賞助演女優賞を獲得した。1979年の『結婚ゲーム』で映画デビューを果たし、その後『レインメーカー』、『マルコヴィッチの穴』、『17歳のカルテ』(1999)、『メラニーは行く!』(2002)など多くの作品に出演。また、『シュレック フォーエバー』(2010)では声の出演をしている。


<スタッフ>
製作・脚本・監督 松井 久子
早稲田大学文学部演劇学科を卒業。「週刊平凡」「アン・アン」等の雑誌ライターを経て、1976年、俳優のプロダクション(有)イフを設立。数多くの俳優のマネージメントを手がける。1985年、(株)エッセン・コミュニケーションズを設立し、プロデューサーとしてドラマ・旅情報・ドキュメンタリー等のテレビ番組を多数企画・制作。
映画初監督作品『ユキエ』(1998)では,アメリカ・ルイジアナを舞台に、45年間連れ添った夫婦の愛と老いの姿を描き、国内外の映画祭で高い評価を得る。
第2作『折り梅』(2002)では脚本も手がけ、日本の平均的な家族が再生する姿を老人介護を軸に描き、公開から2年間で100万人の観客を動員。全国1350箇所を超える自主上映会が、7年目を迎えた今も続いている。

プロデューサー アショク・アムリトラジ
ハイドパーク・エンターテインメントの最高経営責任者(CEO)。近年、ハリウッドで最も成功したプロデューサーの一人と言われる。彼が製作した、スティーヴ・マーティン、クイーン・ラティファ主演『Bringing Down The House』(2003)はアメリカで大ヒット。これまでに100本以上の作品を製作。インド映画「ジーンズ 世界は二人のために」(1998)はインド映画連盟でアカデミー賞外国映画部門に唯一の推薦作として選ばれ、この業績がきっかけとなり、この年の「スピリット・オブ・インディアンズ・マン」に選ばれている。その他には、ブルース・ウィリス、ケイト・ブランシェット出演『バンディッツ』(2001)、ダスティン・ホフマン、スーザン・サランドン主演『ムーンライト・マイル』(2002)、『ストリートファイター ザ・レジェンド・オブ・チュンリー』(2009)など、多くのメジャー映画を手がけている。

撮影監督 永田鉄男
フランスを拠点に世界各国で映画からCMなど多ジャンルで活躍する。ジャン=ピエール・ジュネ監督が演出、オドレイ・トトゥが出演したシャネルNo.5のCMを手がけた。また、ジュネ監督の最新作『ミックマック』(2009)の撮影も務めた。
フランス映画『La Chambre des officiers』(2001)、『エディット・ピアフ?愛の賛歌?』(2007)でセザール賞撮影賞を2度受賞している。他の主な作品に『スティール』(2002)、『ナルコ』(2004)、『大停電の夜に』(2005)など。

照明 佐野武治
1947年松竹京都撮影所に入社。1957年に契約技師となるが、1965年にフリーとなり、活躍を続けている。『影武者』(1975)をはじめ、『乱』(1985)、『夢』(1990)、『八月の狂詩曲』(1991)の三本で日本アカデミー賞最優秀照明賞を受賞。『まあだだよ』(1993)などの黒澤作品のほか、篠田正浩作品も『沈黙』(1971)、『はなれ瞽女おりん』(1977)、『瀬戸内少年野球団』(1984)、『鑓の権三』(1986)、『舞姫』(1989)など多くの名作を担当している。

衣装 黒澤和子
成城学園高等学校卒業後、サン・デザイン研究所にてスタイリストの勉強をする。その後、伊藤衣服研究所デザイン科に入学、卒業後にデザイン会社を設立してファッション・デザインに従事する。1974年株式会社黒澤プロダクション取締役就任。1990年の『夢』から黒澤組に衣装担当として参加する。以降『八月の狂詩曲』(1991)、『まあだだよ』(1993)と衣装を担当した。現在は黒澤プロの取締役としてプロダクション業務に従事しており、映画衣装デザイナーとしても活躍している。

衣装 アギー・ロジャース
1970年にカリフォルニア州立大学卒業。1973年の『アメリカン・グラフィティ』の衣装を担当し映画デビュー。その後、『カッコーの巣の上で』(1975)、『スター・ウォーズ/ジェダイの復讐』(1983)、『逃亡者』(1993)、『レインメーカー』(1997)など、多くのメジャー映画の衣装を担当している。1985年のスティーブン・スピルバーグ監督『カラーパープル』ではアカデミー賞衣装デザイン賞にノミネートされている。


音楽 ヤン・A.P.カチュマレク
祖国ポーランドでミニ・オーケストラのThe Orchestra of the Eight Dayを結成し、ヨーロッパ各国をツアー。シカゴのグッドマン・シアターとロサンゼルスのマーク・テーパー・フォーラムに作曲を依頼されたことをきっかけに、アメリカで演劇音楽の仕事を始める。
1992年にシェイクスピア・フェスティバルで上演された「哀れ彼女は娼婦」の音楽でオビー賞とドラマ・デスク賞を受賞。1995年、アニエスカ・ホランド監督の『太陽と月に背いて』の音楽を担当し、気鋭の作曲家として注目を集めた。『ロスト・ソウルズ』(2000)、『運命の女』(2002)など多くの作品を手がけ、2004年にはジョニー・デップ主演『ネバーランド』でアカデミー賞作曲賞を受賞。最近では『扉をたたく人』(2007)、『HACHI 約束の犬』(2009)などを担当する。


松井久子監督を支える『マイレオニー』

松井久子監督の映画監督デビュー作『ユキエ』は全国700ヵ所、第二作『折り梅』は1350箇所を越えて、今なお上映会が続いている。前作『折り梅』が公開された時、観客から早くも、松井監督の第三作を観たいという声が全国から巻き起こった。そして、松井監督に強く感銘を受けた人々が集まり、松井監督が企画を温めていたイサム・ノグチの母レオニーの人生の映画化を観客の立場から応援するネットワーク 「松井久子監督の第三作を応援する会 マイレオニー」を2005年に結成。『折り梅』の上映会やトークショー、PRイベントなどを行い製作資金の賛助金募集を呼びかけた。また映画撮影時には、エキストラとしての出演、ロケ地での炊き出しをはじめ様々な製作サポートを行った。当初5人から始まったサポーターは、現在では全国で3000人以上に広がっている。

<識者からのメッセージです>

偉大な彫刻家、イサム・ノグチを創ったのは彼の母、レオニーであり、終生、彼は母のことを語り続けたという。だが、レオニーの生涯には偉大な母を超えた、人としての偉大さとそれを支えた強い意志が在る。松井久子監督がそれを甦らせるのは楽しみ。大いに期待したい。皆さん、応援しましょう。※2005年11月のメッセージです(ジャーナリスト故・筑紫哲也)

この作品には、生きるものの生命の根っこである母性という核がある。それが見る者を撃つ。しばらく忘れていた映画とは何かということを、この作品は思いださせてくれた。この映画は、愛という人間の永遠の普遍をとらえた人間賛歌だ。(作家 小檜山博)

この映画は女性に自立を促す映画ではないし、ましてや母子の愛情物語でもない。目の前に壁が立ちはだかっても、少しだけ勇気を出して、頭を上げて遠くを見れば、水平線の向こうにも地平線の向こうにも必ずや新しい世界が広がっているということ、そしてそこで今まで自分さえ知らなかった新しい自分が見つけられるかも知れないということを教えてくれる「はなむけの映画」だ。人生は、絶対に諦めてはいけない。(プロデューサー 残間里江子)

松井久子監督は、人間の尊厳と芸術の真価を見事なドラマとして結晶させた。完璧な映画などこの世に存在しないかも知れないが、限りなく完璧に近い作品。これほど美しい映画を、僕は他に知らない。

『レオニー』良かったです。自分の求めるものを、どこまで真剣に求めるのか。これでいいのだとウレシイ涙が。丁寧につくりこまれた映画でした。

『レオニー』を観てるあいだ離れて暮らしている母親のことをずっと想っていた。同年代の男性にこそ、この映画は見せたい。

50過ぎてから監督業に転身した松井久子監督の新作『レオ二ー』。ほとんどシングルマザーとして、イサムノグチを育てた母レオ二ー・ギルモアの一生を描いた映画。途中、何度も涙した。

惚れた★この女性&映画と出会え感謝!松井久子監督64歳。7年ごしで完成した「レオニー」はイサム・ノグチの母を描く大作で今秋公開。監督との会食で感想を話すうち涙ぐむ人も。こんな木を.えるような仕事、20年後にできているだろうか。

彫刻家イサム・ノグチ、札幌には彼の遺作である「モエレ沼公園がありますが、彼を育て、自らも波乱の時代を生き抜いたアメリカ人女性レオニー・ギルモアの生涯を、監督・脚本/松井久子さんが丁寧に丁寧に描ききった映画です。制作に7年間、13億円をかけた大作。ラストシーンの「モエレ沼公園」は圧巻です。涙とともに鳥肌が立つ感動があります。(札幌市長・上田文雄ウェブマガジンより)

私は通常の人よりは映画を見ているほうだと思う。しかし、本当に久々に感動した映画であった。深く深く心に刻まれ、ワンショットワンショットに思いが描かれており音楽も映画に見事にあっていて、あまりのことに映画の後もしばらくぼーっとしてしまうほど。主人公はイサムノグチの母である。こんな素晴らしい女性がいたのだと。どんなに辛いことがあっても力強く生きていくその姿。本当にぜひ全ての女性、男性に見てほしい。(株式会社ノンストレス社長 坂野尚子ブログより)

11月に上映される「レオニー」という映画の監督松井久子さんの話を今夜聞いた。イサム野口の母、レオニーの人生を通して何を伝えたかったのか。それは「逆境を時代のせいにも人のせいにもしない、潔さと強さ」だという。その清い精神こそ、今私たちに必要なものかも。

英雄ではなく、英雄を生みだす母の生きざまが、細胞ひとつひとつに染み込んでくる、とてつもない映画。

言葉にならない。このままじっとある限りの想像力を働かせて、レオニーの人生を、何度も何度もなぞってみる。イサムノグチの母レオニーに深い感謝。松井さんに感謝。

強靭な母の精神に深く感動。松井監督ご自身の情熱にも。モエレ沼公園・テトラマウンドに込められたイサムノグチの母への思いに感動。

松井監督から頂戴したメッセージの一部にこんな文章がありました。

時代を超え、国境を越えて観られる映画が作りたい。
私が映画「レオニー」製作を思い立ったときの、それが動機のひとつでした。
昨今の日本映画の作られ方、観られ方を思うにつけ、商業主義一辺倒で、志も何もない今の日本映画界の現状には長い間、大きな失望と憂慮の念を抱いていたということがありました。

この度、ギリークラブのサイトを拝見しても、エンターテイメントの鑑賞と交流に「映画」が挙げられていないことや、過去に貴クラブのゲスト・スピーカーとしてあれだけ沢山の方々が招かれているのに、そこに映画関係者は一人もいませんね。私には、そのことこそ日本の映画界の現在を象徴していると思えてなりませんでした。
つまりは、今の日本映画はや映画界の人々は、貴クラブのような良識ある方々の集まりにおいても「関心の外の存在である」ということなのだと思います。

またこういうエピソードも書いてありました。
ルース駐日アメリカ大使が「レオニー」の試写会で松井監督に言ったそうです。

「日本が世界の目をもう一度自分たちに向かせようと思うなら、今こそ日本が誇るべき「文化」で勝負するときなんだ。文化を世界に伝えるのに映画ほど最適なものはない。どうか「レオニー」を世界の人々に観て貰うよう、頑張って欲しい…」

ご存知のようにギリークラブでは「文化をビジネスに活用」というメッセージを、様々な企画で提案させて頂いています。歌舞伎、文楽、ミュージカル、食文化、宗教・・・

仕事のテクニックと知識さえあればよいのか、そんな薄っぺらな人生は寂しい限りです。『レオニー』観賞、松井監督とのお話し会を通じ、また皆様とご一緒に考えたいと思います。

最後に、『マイレオニー』という会があります。
http://www.myleonie.com/#
この会の存在無しでは映画が出来なかったと思います。関わった方に心よりの感謝と敬意を表します。

この方々の活動に比べたら全く非力ではあり、間抜けた時期ですが、我々は自分達なりで出来る精一杯の活動をしたいと思います。まずは『レオニー』をご覧になり、PR&ご吹聴をお願いします。

<実施概要>

●『レオニー』の松井久子監督と語る会

●日時:12月27日(月)19:30〜21:30

●会場:東京21Cクラブ
千代田区丸の内1-5-1(新丸ビル10階)TEL:03-5208-2121
ご参加の方に入館方法をご連絡します。

●ゲスト:松井久子氏(製作・脚本・監督)

●会費:ギリークラブ会員 3,000円 ビジター 5,000円
※「レオニー」をご覧になった方、または近々観る方が参加可能。

●参加人数:申込先着順 20名限定

●締切:12月24日(金)
(それ以前でも満員の際には締め切ることもあります。)
※満員の際、キャンセル待ちは可能です。