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『成熟日本への進路』
〜波頭亮氏との勉強会で、この国を考える〜


<ご案内>

波頭亮氏の最新刊、『成熟日本への進路』が課題図書ですが、この本を読んだ上で著者波頭さんとの午後の勉強会です。少人数でゆったりとお話ししたいと思います。

前著「知識人の裏切り」 ─どこまで続く、平成日本の漂流 をテーマに、やはり少人数で茶話会を実施しましたが、大変盛り上がりました。その時、次回の本(この本です!)でまた、と約束していましたが、今回出版直後に開催できる事が嬉しいです。

もうすぐ発売の本、私はちょっと早く読まさせて頂きました。波頭さんらしいシャープな切り口が本当に気持ち良いですが、私の感想を書き述べるよりも、どうぞご自身で読みとって下さい。

その為に、まえがきの全文と目次情報をお付けします。時あたかも、総理交代、新しい日本出発の時期です。

波頭さんがこれを書いたのはまだ鳩山政権の時期、この開催当日(6月末)には管新総理の方針や活動が、ぼちぼち見えてきている頃、その評価も楽しみです。

「そうだったのか」だけでなく、「それならこうしたい」というようなご意見を持ってお集まり下さい。奮ってのご参加お待ちしています。

平日昼間の会には参加出来ないという方も多いかと思います。
波頭さんに聞いてほしい、こんな感想を持った、という事があれば、ぜひメールして下さい。
会場でご参加の方と共有して、進行させて頂きます。
(個人的なメッセージであれば、そのように対応致します)

「出来るだけ多くの方にこの本を読んで欲しい」波頭さんは今回特に強く希望されています。

いち早くこの本を読んだ私からも、強くこの本を推薦します。
ぜひ読んで下さい。そしてご感想をお送り下さい。よろしくお願いします。

<参考情報>

<参考1 目次情報>
『成熟日本への進路』【目次】

まえがき

Ⅰ 21世紀日本の国家ヴィジョン

1) 国家ヴィジョンの不在
ヴィジョンがないからダッチロールする/ヴィジョンを転換できずに衰亡した清国と共産主義国/橋本、小泉、鳩山内閣に共通するもの

2) 日本が成熟フェーズに入ったことの意味
成長フェーズが終わったという事実がスタートライン/日本が成熟フェーズに入ったことの検証((1)GDPの成熟、(2)成長因子の消失)

3) 新しい国家ヴィジョン:誰もが医・食・住を保障される国づくり
成熟フェーズであるのなら一直線に決まるヴィジョン/「悪くなっていく」と予想し、「不安を感じている」と答える人々が増え続けている/社会保障が一位、高齢化対策が二位/格差は小さいが、貧困者が多い日本/医・食・住を保障するという社会インフラ/5.4兆円あれば、医療・介護はタダになる/10兆円あれば、すべての貧困者の生活を保障することが可能/「不信と敵意に満ちた社会」を作らないために/追加コストは「たったの24兆円」である/財源確保の具体策(消費税、金融資産課税、相続税の大幅アップ)/イギリス並みで充分、余裕をみてもフランス以下/国民の心の準備と覚悟はできている

Ⅱ 経済政策の転換

1) 成長戦略は要らない
「失われた10年」を「失われた20年」にした景気対策/主軸は産業構造のシフト:福祉産業と輸出産業/公共事業の三つの効果/「二本目の高速道路」と「僻地の高速道路」は効果無し/乗数効果は今や1.0以下!?/お金を直接渡す方が合目的的/公共事業をカットしたら経済は成長した

2) 成長論から分配論へ
最初は成長論が国民全体に恩恵をもたらす/「規制緩和」政策への転換と副作用/同じGDPでも所得の再配分で社会はより豊かになれる/増税から逃げてきた政治の怠慢と経済の歪み/増税は全ての政策を健全化する/間接給付ではなく直接給付を/1.ベイシックインカム──国家による生生存権の絶対保障/2.マイナスの所得税──共生・調和型社会の福祉税制/セーフティネットはこれからの時代の"公共財"

3) 産業構造をシフトする2つのテーマ
(1)医療・介護サービスの拡充(先進国の中でもかなり低水準な日本の社会保障/「年金・生活保護」と「医療・介護」の性質の違い/医療・介護は大きなGDPと雇用を生むこれからの主力産業)/(2)医療・介護サービスを拡充するための二つの政策(1.規制緩和、2.労働条件の改善策)/(3)外貨を稼ぐ産業の育成(石油代と食糧代で27兆円の外貨が必要/内需型産業の拡大ばかりを叫ぶのは危険/ハイテク型環境関連が本命/産業構造シフトに向けての対照的な二つの政策方針)

4) この国のかたち:社会保障と市場メカニズムの両立/成熟国家に適した"経済活力の確保"とは/国民負担率70%でも「幸せ度No.1」のデンマーク/アメリカとデンマークの二つの共通点(1.教育への投資が世界トップ水準/2.労働者を解雇しやすい)/高福祉だからこそ自由経済/企業の自由度を上げることが国民経済のパイを大きくする/高福祉と雇用保護のセットは危険な組合わせ/現代の教育への投資は産業インフラの整備である/「ゆとり教育の失敗」から立ち直ったアメリカの前例

Ⅲ しくみの改革

戦略の実行には「組織・制度」こそ重要である/しくみをセットで取り替える必要がある

1) 行政主導政治のしくみ
1.官僚機構の二つの本能──「変化の排除」と「自己増殖の追求」(歴代の行革は官僚によって骨抜きにされてきた/平成の大合併でも公務員の数はほとんど減っていない)/2.三権分立の頂点に立った官僚(「大臣に従わない」という方法)/なぜ大臣は従わない官僚をクビにできないのか/「行政裁量に対する司法の敬譲」の絶大な威力

2) 官僚機構を構築している4つのファクター
官僚はベストアンドブライテスト/1.行政裁量権とデータの独占による「実質的な政策決定権」(行政裁量と委任立法で政策を自由にコントロール/自在にデータを操って政策の根拠をコントロール)/2.人事自治権と共同体ルールによる「組織的結束力」(軍隊以上に強力な強固かつ柔軟な官僚組織/組織論的テクニックの集積/一般的テクニックを超えた緻密な仕掛け/465万人の利権と世論の圧力)/3.ブラックボックス化した特別会計による「莫大な資金力」(特別会計は"官僚のサイフ"/一般会計の4〜5倍にも及ぶ莫大な金額/会計監査院ですら解明できない/自由自在に使う目的は天下り先の確保)/4.メディアの掌握による「プロパガンダ機能」("官僚のポチ"という呼称が意味するもの/官僚機構の思惑をプロパガンダする"第4の権力"の不見識)

3) 官僚機構の改革戦略
官僚機構改革の二つの戦略ポイント(1.人事権の掌握/2.特別会計の解消/予算規模を207兆円としたスコープは正しかった/二つの予算制度を統合する/ガラス張りになれば、10兆円がういて来る)/メディアへの期待(ベルリンの壁崩壊の立役者は衛星放送/日本のメディアは部数は多いが、内容は横並び/メディアのジャーナリスト魂に期待するのみ)

4) 国民が変わらなければならないこと 
「日本は世界で最も弱者に厳しい国」というアンケート結果(「働かざる者、食うべからず」か?/かつて共産主義体制がうまくいかなかった理由/主権者としての責任意識と報酬

あとがき
参考資料・参考文献

<参考2 まえがき>

近年目にしたアンケート調査で心に引っかかったものが二つある。
「自分は幸せだ」と思う人の比率が世界一のデンマーク。
「自力で生活できない人を国が助けてあげる必要はない」と思う人の比率が世界一の日本。
なぜこんなにも違うのか。
そもそもデンマークは税金が高くて、所得の七割以上も取られると聞く。なのになぜ、国民は自分のことを幸せだと言えるのだろうか。どんな生活をして幸せを感じているのだろうか。
一方、日本人は弱者に対してなぜこんなに冷たいことが言えるのか。そう言えば高齢者は増えているのに、社会保障費は毎年削られて来た。弱い者や年寄りは見捨ててしまえばいいとする国なのか。
もう一つ最近の政治に対する論調で気になることがある。
新聞も週刊誌の特集も、テレビのコメンテーターも、成長論が見えない、経済成長の戦略が示されていないとばかり騒いでいる。なぜそんなに経済を成長させたいのか。
弱者や老人を見捨ててしまえと思っている一方で、やっきになって経済を成長させて何をどうしたいというのか。
デンマークの一人当りの所得は日本の1.6倍の水準である。日本人もデンマーク並みの所得を得られるようになったら、弱者は助けてあげるべきだと思えるようになるのだろうか。
実は、デンマークが今の日本並みの所得水準だった時も、デンマーク人は70%の税金を払い、社会的弱者に対しては手厚い社会保障を供与していた。この事実を見ると、弱者を放っておいて、成長、成長と言う国民は、所得がもっと増えたとしても、税金の負担が増えても構わないから、弱者を救うべきだとは思わない気がする。成長、成長と言いながら社会保障費をカットしているような国は、デンマークのように国民が胸を張って自分は幸せだと言える社会には決して近づいていけないだろう。
ちなみに、日本以外の国で「自力で生活できない人を国が助けてあげる必要はない」と答える人の割合が10%を超えている国はアメリカ以外にはない。ドイツもイギリスもフランスもイタリアもスペインも中国もインドも、豊かな先進国でも、貧しい発展途上国でも、弱者は見捨ててもし方ないと思う人の割合は、どの国でもだいたい10%弱。これが普通の人の心というものであろう。
アメリカは自由と自己責任の国なので社会の勝負は弱肉強食である。そのアメリカですら28%。日本の38%と比べるとかなり低い。それに、アメリカは自力で生活できない人を国が助けてあげているわけではないが、寄付の金額は世界一である。一人当りで見ればアメリカの人達は日本人の40倍も寄付をしている。国は助けてあげなくても、裕福な人がちゃんと寄付をして恵まれない人を助けてあげているのである。
ちなみに、日本人の寄付金の額は世界一少ない。貧困による自殺者の数も世界一である。
寄付はしない。弱者を救う必要はない。今、大事なのは経済成長だ。ダム建設は続行しろ。空港をもっと造れ。
日本はこんなことで本当に大丈夫か。

とにかく経済を成長させろと言っているけど、冷静に考えると残念ながらそれはもう難しい。経済を成長させる方程式というのがあって、ヒトが増えるか、カネが増えるか、賢くなるか、この三つのうちのどれかが満たされなければ経済成長は成立しない。人口はどんどん減っていっているし、個人金融資産も減り始めた。なのに愚かにも経済効果が無いと実証済みのダムや空港を今だに造っているようでは、成長どころか低迷に拍車がかかるだけなのである。

うんざりするような今の日本社会の歪んだ姿だが、実はこんなことは、国民はちゃんと分かっている。だからこそ「コンクリートからヒトへ」と謳った民主党が国民的コンセンサスを得て60年ぶりの政権交代が起こったのだ。
なのに政権が始まった途端に起こったのは「ダム建設を止めるな」のシュプレヒコール。子供手当ての財源に苦労しているのに、赤字が確実な空港がまた一つ開いた。国民は賢く日本の進むべき道を理解していて、正しく「コンクリートからヒトへ」投票したのに、一体誰が、ダムを推進したり、空港を開けたりしているのだろうか。なぜ今だに経済成長、経済成長と言い続けるのだろうか。

国民は賢く国がなすべきことを選んでいるのに、国は国民の意志と期待に応えていない。
と言うことは、国民が「自力で生活できない人を国が助けてあげる必要はない」と思うのは、弱者に厳しいのではなくて、「国」を信用していないだけなのかもしれない。
そう言えば、当り前のように感じたために心に引っかからなかったアンケート調査があった。「自分達によいことをしてくれていますか」という質問に対して政府に○をつけた人は50%に過ぎなかった。つまり国民の半分は国に信頼をおいていないということだ。
政府は今だに「国民には知らしむべからず、依らしむべし」でやっていけると思っているのだろうか。そうだとすれば呑気なものである。国民の投票結果を見よ。ダム建設強行に対する数十万通にも及ぶ反対メールの数を見よ。
こんな政治を続けていては、国民は弱者に優しくなれないし、国も政治も信用できないまま日本は奈落の底まで落ちてしまう。
既に下降局面に入った日本はヴィジョンを差し替えたり、経済政策を転換したり、生活の優先順位を入れ替えたりしないと、社会はどんどん暗く沈滞していく。国民が自分は幸せだと思える国を作るにはどうすれば良いのか。

こういった問題意識やメッセージを以て本書を書こうと思った。このままでは、日本という国は国民が求める社会の方向へ進んで行けそうにない。
国民が幸せだと思える社会の姿を考え、そうした社会を目指すための政策を検討し、その政策を実行するための社会のしくみを示すのが本書の目的である。
なぜ成長を目指すことが愚かなのか。
なぜ無駄使いばかりしながら財源がないと言うのか。
なぜ民主主義政治の国でありながら、国民が求めることが実現しないのか。
そして、どうすればこれらの問題を解決することができるのか。どうすれば国民が自分は幸せだと言える社会を築くことができるのかについて、明快に示したい。

●XEED
http://www.xeed.org/index.html

<波頭亮氏 プロフィール>
東京大学経済学部(マクロ経済理論及び経営戦略論専攻)を卒業後、マッキンゼー&カンパニー入社。
1988年独立、経営コンサルティング会社(株)XEEDを設立。
幅広い分野における戦略系コンサルティングの第一人者として活躍を続ける一方、明快で斬新なビジョンを提起するソシオエコノミストとしても注目されている。

著書
◆経営 (全て産能大学出版部)
「戦略策定概論 」 ―企業戦略立案の理論と実際
「組織設計概論 」 ―戦略的組織制度の理論と実際
「思考・論理・分析」 ―「正しく考え、正しく分かること」の理論と実践
「リーダーシップ構造論」 ―「リーダーシップ発現のしくみと開発施策の体系」

◆一般書
「成熟日本への進路」 ─「成長論」から「分配論」へ (ちくま新書)
「知識人の裏切り」 ─どこまで続く、平成日本の漂流 (ちくま文庫)
「プロフェッショナル原論」 ―「一流であるための掟と日常」(筑摩書房)
「若者のリアル」 ―亡国の世代かネオ=ルネサンスの旗手か(日本実業出版社)
「就活の法則」  ―「適職探しと会社選びの10ヶ条」 (講談社)
「新幸福論」 メディアファクトリー
「新行動論」メディアファクトリー
「経済透視鏡」 TBSブリタニカ
「ネオ・クライテリア」 ダイヤモンド社
「ポスト終身雇用」 PHP研究所
「最後の巨大市場・中国」PHP研究所
「30代からの幸福の経済学」 PHP研究所

 他多数

<実施概要>

●『成熟日本への進路』
〜波頭亮氏との勉強会で、この国を考える〜

●日時: 6月30日(水)13:30〜15:00

●会場 東京21Cクラブ
千代田区丸の内1-5-1(新丸ビル10階)TEL:03-5208-2121
ご参加の方に入館方法をご連絡します。

●ゲスト:
波頭 亮氏(経営コンサルタント ソシオエコノミスト)

●会費:ギリークラブ会員 3,000円 ビジター5,000円

●参加人数:申込先着順 10名限定 (正会員優先です)

●締切:6月23日
(それ以前でも満員の際には締め切ることもあります。)
※満員の際、キャンセル待ちは可能です。