<GILLIE>株式会社ギリー
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GILLIE CLUB

ギリークラブパーティー “何も残さない”
〜飲み尽くし、食べ尽くして、アフリカの子供達に給食を〜


<ご報告>

1月26日に実施された「何も残さないパーティ」、こんな感じでした。
工藤さんに書いて頂いた実施報告をお読みください。

 パーティ。それもスタンディングスタイルといえば。
作り置きされて「乾杯」の発声とともにラップがはずされるオードブルは表面が乾きかけ、温かいものも冷たいものもいっせいに供されるから、ゲストの動線はぐちゃぐちゃ。飲みかけのグラスはすぐ迷子になっちゃって、鮨の屋台の前だけが長い行列。

 そんなイメージを一掃するパーティが、1月26日夜、銀座キハチ本店で開催されました。料理評論家の山本益博さんとギリークラブが、ムッシュこと熊谷喜八シェフ率いるキハチ組とタッグを組んで取り組む初めての試み。ギリークラブパーティ「何も残さない〜飲み尽くし、食べ尽くして、アフリカの子供達に給食を〜」です。

 会場に到着したゲストは、ビールやシャンパーニュをあらかじめ注いだグラスではなく、空のグラスとネームタグを受け取ります。テーブルにはカラフルなカラーペンがあり、ゲストはネームタグに自由に自分の印をつけ、グラスに結びます。マークを描いたり、アルファベットでイニシャルを書く方から、達筆な字でフルネームを大きく書く方まで。個性の表れたネームタグに、早くも会場は盛り上がります。

 開会にあたり、山本益博さんと臨済宗建長寺派大本山建長寺和尚の永井宗直さんから、今宵の主旨について、改めてお話がありました。この夜集まったゲストは、この会の主旨に賛同する方たち。自然の恵みである食材のありがたさ、自然を相手に取り組む生産者の苦労、食材=命を預かる調理人の努力。私たちが毎日当たり前のように食べている「料理」が、そこに至るまでの道のりに、改めてありがたい思いがします。

 さあ、いよいよパーティの始まりです。まず登場したのは、フルートグラスに入ったパウダーピンクのきれいなドリンク。いちごミルクかカクテルか、と思って口元に運ぶと、ふわっと温かくまろやかな香り。正体は、紅芯大根のポタージュでした。寒空の中、おなかをすかせて集まったゲストの胃を、まず温めて食欲をそそる一杯のポタージュ。この先の展開に、期待が高まります。

ここで、本日のメニューをご紹介します。

紅芯大根の軽いポタージュ
海老原農園の野菜 クリーミーバーニャカウダソース
イチゴのクリスタルと生ハムのコカ
真たこのカルパッチョ セミドライトマトとのし梅風味
炙り天然鰤のビーツおろしソース
伊達鶏のスモークチキンロースト
叩き海老の春巻き揚げ
イクラのポテトコロッケ
春野菜と焼きたて特選牛ロース肉の粒マスタードドレッシング
白菜と南昌豚肉のメキシカングラタン
自家製スモークサーモンのロースト 柚子バターソース
青森産バルバリ鴨のすき焼き風
南昌豚ロース肉のロースト スパイス&レギュームサルサソース
リゾーニの海鮮リゾット
いちごすし
出来たてのバニラアイスクリーム
日向夏のロールケーキ

熊谷喜八シェフが全幅の信頼をよせる鈴木眞雄シェフと鶴田正美シェフによる、渾身の力作全17品! これが一度に並ぶわけではありません。ひと品ひと品、熱いものは熱いまま、冷たいものは冷え冷えで、できたてのおいしいところをいただきます。ちなみに「イクラのポテトコロッケ」「青森産バルバリ鴨のすき焼き風」「リゾーニの海鮮リゾット」「いちごすし」は会場内、ゲストの目の前でライブ調理。ジュワーッと揚がるコロッケの音や甘辛タレが煮詰まるあまじょっぱい香り、伝わる熱が、食欲をそそることといったら。

 ゲストをリードしてもり立てるのは、食べ手のプロ、山本益博さんです。料理が出るやいの一番に味わい、ライブ調理は最前列でシェフの手元を見つめながら、ゲストに解説してくれます。「アツアツが届いたから、熱いうちに早く食べなきゃ」「これは手づかみでぱくっと食べて」などなど「ものをおいしく食べるコツ」を、気さくにお話するマスヒロさん。おいしそうに食べるマスヒロさんの姿につられて、次々料理に手をのばすゲスト。できたてのいちばんおいしいところを食べるのも、料理に対する敬意です。

 鈴木シェフが遊び心を込めたのが、イクラのポテトコロッケです。目の前で揚がったアツアツのコロッケを頬張ると、中からイクラのジューシーなエキスがじゅわっと口中に広がります。白と赤の彩りが鮮やかで見た目もきれい。揚がるそばから次々なくなり、あっという間に完食となりました。

 このパーティならではのシーンだったのが「付け合わせ」の野菜の売れ行きぶり。普通、牛ロースやサーモンのローストといった主菜からなくなり、野菜は残ったままのことが多いと思うのですが、なんと今回先になくなったのは、付け合わせの野菜です。いきいきと色鮮やかで生命力に満ち溢れた野菜たちは、なんとも魅力的。ブロッコリ、インゲン、にんじん、キャベツ・・・どれも欠かせないから全種類の野菜を1つずつとり、主菜は後の人のために少しだけとる。そんなゲストばかりなので、野菜からなくなってしまったのです。プレートのふちの死角にへばりついていたインゲン1本まで残さずさらいました。「残しちゃいけないから食べるわけじゃなくって、こんなにおいしい野菜を残すなんてもったいない」。あるゲストのことばです。
 この夜集まったゲストは、食いしんぼうばかり。「こんなにおいしい野菜をつくる人と話したい」と、海老原ファームの海老原さん(父)は、名刺交換に訪れる人とご挨拶に大忙し。推定年齢22歳の初々しい美青年・海老原さん(子)も、熱い視線を集めていました。

 会場には、熊谷喜八シェフもいらっしゃいました。「こんなに次々と料理を食べ切ってくれるパーティは初めて。作り手として、すっごく気持ちいいね」と言いつつ、ゲストのあまりの食の進みっぷりに「厨房、追いついてるのかな」と、スタッフを思いやる場面も。
 「食文化は奥が深く、食の世界は一生もの。人種も世代も問わず、すべての人間が食とは縁を切れないのですから。そろそろ次の世代に交代してもいいと思うけど、まだまだ勉強することが山ほどあるんですよね」。日本にレストラン文化をもたらした料理人のひとりである熊谷喜八シェフが、しみじみおっしゃる姿が印象的でした。

 そんなキハチ流が発揮されていた一品が「いちごすし」です。フルーツのいちごと酢飯が組み合わさって、ココナツクリームとナンプラーをかけていただきます。
 断言します。読んだだけでは絶対に、絶対に想像できない味覚の世界が広がります。その味わいは、これまでの既成概念を崩すような斬新で刺激的でありながら、まとまっていて、後を引くクセになる味。「酢豚に入ってるパイナップルみたいな、料理にくだものを使ったのって、苦手なんですよね」なんて言ってたゲストも、食べたとたんに「ワインに合うね」と宗旨替え。「キハチシェフだからおもしろいものが来るぞって構えているのに、いっつもやられちゃう。キハチさんの頭の中って、どうなってるのか見てみたいよ」と笑うゲストもいました。この一品は、料理の奥深さと可能性を感じさせます。これを食べられただけでも、今宵来たかいがありました。

 初めの宣言通り、すべて食べ尽くしてパーティは終了。「パーティではおいしいものが食べられないので、いつも物足りなく、パーティ帰りにどこかで食事をするのが常でした。パーティで料理を残して、別のところで料理を食べるなんて、2重に食材を費やしていたのですね。お腹も気持ちもこんなに満ち足りたパーティは初めて。今夜は寄り道するのがもったいないですね」。あるゲストがもらしたことばが、今夜のゲストの気分を代表していました。



<ご案内>

【満員御礼】

マスヒロ「料理食べ尽くし」のすすめ

わたしが近年パーティ嫌いになったいちばんの理由は、宴会場での皿に残された山ほどの料理を目の当たりにするようになってからです。

食糧自給率が40パーセントを切りながら、平気で食べ物を捨てています。食材、料理に敬意を払う者は、とてもこんなことは出来ません。

でも、ただ見ているだけでもいけません。そこで、「料理を食べ尽くす会」を考えました。

自分で食べられるものだけ皿にとり、飲める分だけグラスに注ぎ、食べ尽くし、飲み干す。

「美味しいものを食べるのではなく、ものを美味しく食べよう」をモットーに、美味しい料理と飲み物をいただく楽しい会を、皆さんと一緒に開きたいと思います。

2009年1月 山本益博

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益博さんの宣言にもあるように、日本の食料自給率が問題になっていますが、もうひとつ心が痛むのが“残飯”です。

特に、食べ放題、飲み放題、という形式の影響でしょうか、食べ物を大切にしない、こんな風潮が目につきます。“金を払っているんだから自分の勝手だ”とばかり、披露宴、パーティーで出る残飯の量は大変なものです。

これはお金持ちの話ではありません。社員食堂や庶民の味の店からも、かなりの残飯が出ており、何か基本の考え方が狂ってきたのではと危惧しています。

ケニアの前環境大臣のワンガリ・ マータイさんが、“MOTTAINAI”という言葉を評価して広めて頂いたのは嬉しい、でも、本当に我々がそのような事を思い、実行しているか、この掛け声と実態との乖離は、少々寂しいものがあります。

と、嘆いていてもしょうがありせんので行動に移します。益博さんとはいろいろな事を話し、ご一緒していますが、『何も残さないパーティー』を実現化させ、ぜひいろんな方に真似をして頂きたいと思います。

益博さんの「料理食べ尽くし」のすすめ は転載自由です。但し、一字一句を変更しないでください。変えると微妙にニュアンスが変わるからです。

ご自身で会をする時、参加される時に、この話をして下さい。何も残さず、食べ尽くし、飲み尽す事を心がけてください。皆さんでこういう運動を広めていければと願っています。

食材は自然の恵みであり、生産者の苦労の塊りです。素材の味を活かして調理する人(ママや料理人)の努力が分かれば、心から『いただきます』と言わざるを得ない気持になる、坐禅の会でお世話になっている建長寺の永井和尚の言葉です。

そう、そんな人々の苦労を考えたら、食べ残しはできません。これは沢山食べる、飲む、という事ではなく、自分で食べられる量を食べて飲む、という事です。

パーティー会場で時折見かける光景です。自分の皿に料理を沢山盛って、結局食べきれず残してしまう。料理卓は何もなく、各テーブルには食べ残しの皿が・・・大変寂しいことであり、心が痛む事です。

で、今回のパーティーです。

残さない、という大前提には“美味しく”なくてはいけません。益博さん、キハチさんとメニューを考えています。普段パーティーではあまり出ないような料理をお出しします。それもとびっきり美味しいキハチの料理です。

基本は“作りたてでご提供”、します。最初から料理卓に乗っている、という状態ではありません。順番に『〇○ができましたよ!』とアナウンスしますので、出来たての料理を、自分が食べられる量だけお食べ下さい。

目の前で調理する姿がお見せできるように考えています。益博さんが“自分がやる!”と張り切っています。これは見ものです。

飲み物もそうです。グラスには名前を書いて頂き、自分のグラスにあるものは、ワイン、ビール、水、何でも最後は飲み干して頂きます。

11月に訪問した、栃木の海老原ファーム、50種類以上の素晴らしい野菜を作っている農家さんですが、そのエビちゃんの野菜もお出ししますので、本当に美味しい!野菜その物の味を味わって下さい。

TABLE FOR TWO(テーブルフォーツー)という活動があります。サイトに詳細がありますが、飽食の日本から飢餓の国を助ける、一つの方法として、ユニークな活動を続けています。

食材シリーズでおなじみのオイシックスの高島氏も理事の一人、先日、この会のパーティーにも行って来ましたが、若い方たちが頑張って活動している団体です。

ご縁がある活動団体に、収益を寄付させていただきます。ほんの少しの額かもしれませんが、主旨に賛同し、この会に参加して頂いた方のお気持ちを、ギリークラブがまとめて、TABLE FOR TWOにお渡しします。

パーティーは交流の場、とびっきり楽しい会にしたいと思います。美味しいものを自分が楽しめるだけ頂戴して、参加者同士交流する、そんな時間にしたいと思います。

ギリークラブ参加の、各界のキーマンの方もいらっしゃいます。勿論、過去のゲストの方にもお声掛けします。普段のパーティーとは全く違う会にしたいと思っています。

どうぞ奮ってご参加ください。

<参考サイト>

●マスヒロジャパン
http://masuhirojapan.hp.infoseek.co.jp/

●テーブルフォーツー
http://www.tablefor2.org/jp/index_jp.html

●キハチ
http://www.kihachi.co.jp/

●MOTTAINAI もったいない モッタイナイ
http://www.mottainai.info/

<実施概要>

●ギリークラブパーティー “何も残さない”
〜飲み尽くし、食べ尽くして、アフリカの子供達に給食を〜

●日時:1月26日(月)【満員御礼】
18:30 受付開始
19:00 パーティー開始
21:30 終了

●会場 キハチ銀座本店 3階
中央区銀座2-2-6  TEL 03-3567-6281
http://www.kihachi.co.jp/

●ゲスト:山本益博氏(料理評論家)

●調理:鈴木眞雄氏(キハチアンドエス レストラン部門総料理長)

●会費:ギリークラブ会員 13,000円 ビジター15,000円
会の収益をTABLE FOR TWOに寄付いたします。
皆様のお気持ちが開発途上国の飢餓対策へ繋がります。
通常の会より、遙かに手間がかかりますが、益博さんもキハチさんも、
もちろんギリークラブもボランティア精神で行います。

●定員:50名 (ギリークラブ会員優先ですが、広くご案内下さい。)

●応募締め切り:1月21日(水)

※それ以前でも満員の際には締め切ることもあります。
※満員の際にはキャンセル待ちもお受けします。
※準備の都合上1月21日(水)以降のご欠席は会費をご負担頂きます。
ご了解下さい。