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GILLIE CLUB

オペラ「サロメ」観劇&交流会

<ご報告>

   

<ご案内>

ギリークラブ、超初心者のためのオペラシリーズ、レクチャー会を実施してからの本公演鑑賞、今回の「サロメ」レクチャーは12月8日に実施しました。

講師の桑原氏がピアノを弾いてのレクチャーも大好評、「サロメ」の話に加えて、音楽史、オペラ史の時間になりました。いやぁ、よく分かりました。

という事で、「サロメ」本公演観劇は2月8日です。レクチャー会に不参加の方も勿論ご参加OKです。

初心者にはちょっと難解かもしれませんが、裸身にまとったベールを一枚ずつ脱ぐ官能的な「七つのベールの踊り」、生首へのキスなど、話題のシーンも満載のオペラです。

「サロメ」はリヒャルト・シュトラウスがオペラ作曲家としての名声を確立し、20世紀の音楽劇に新たな境地を導いた画期的作品です。

音楽はモーツァルトのような美しいハーモニーを多用した作曲法ではなく、ワーグナーが確立した「ライトモティーフ」(ワーグナーの楽劇によって確立された、オペラ・標題音楽などで、特定の人物・理念・状況などを表現するために繰り返し現れる楽節・動機。)を多用して作曲された、とても劇的な音楽です。

<作品解説>
原作となるオスカー・ワイルドの「サロメ」は、1893年にパリの出版社からフランス語で出版された。翌年、作家の愛人であるダグラス卿による英訳が、ビアズレーの挿絵入りで世に出る。聖書の中の小さなエピソードに題材をとりながら、常軌を逸した愛欲の情景を描いたこの戯曲は、風紀紊乱的な内容ということで、さらにまた作者ワイルドの男色スキャンダルによる投獄という事情も加わって、英国での上演はなかなか実現しなかった。しかし、1896年にはパリで初演がおこなわれ、衝撃的な舞台劇としてヨーロッパでひろく知られるようになってゆく。ドイツでの初演は1901年、ブレスラウ(現在はポーランド領ブロツワフ)においてだった。

 その翌年の1902年、リヒャルト・シュトラウスはウィーンのボヘミアン文士アントン・リントナーから「サロメ」のオペラ化の申し出を受ける。大いに乗り気になった作曲家:リヒャルト・シュトラウスは、当初リントナーがオペラ台本用に脚色したテキストに付曲するつもりでいたが、戯曲「サロメ」のヘドヴィッヒ・ラッハマン女史によるドイツ語訳を読むうちに、原作のテキストにじかに付曲するほうがいいと考えるようになった。1903年のはじめにベルリンの劇場<クライネス・テアーター>で、マックス・ラインハルト演出によるこの芝居の上演を見たことが、大きなきっかけとなったとみてよいだろう。リヒャルト・シュトラウスはヴッハマンのドイツ語訳をもとに、音楽劇としての効果に配慮しながらあちこちをカットし、部分的に書き換えたりもして自ら台本を作成し、曲を付けていった。こうして、リブレット(オペラ用台本)という中間項を排除して第一級の文学テキストにじかに作曲された<文学オペラ>としての「サロメ」が誕生することになる。

 作曲には足掛け3年を要し最終的な総譜が完成したのは1905年の6月だったが、それから初演にこぎつけるまでの道も平坦ではなかった。歌手たちは口ぐちに難しすぎてとても歌えないと訴えた。市長夫人でもあったサロメ役の歌手は、演出家のさまざまな要求に対して、「貞淑な家庭夫人である私には、そんな恥知らずなことはできない」と言い出す始末だった。そもそもリヒャルト・シュトラウス友人の作曲家マーラーでさえも、シュトラウスが「サロメ」を作曲すると聞いたとき、カトリックの諸国ではとうてい上演できないだろうと言って、強く反対したのである(もっともマーラーはなかば完成されたスコアをシュトラウスから見せてもらってからは、「サロメ」の熱烈な支持者となる)。オーケストラの練習の際、オーボエ奏者がこんなパッセージはピアノじやあるまいし吹けやしません」と言ったとき、シュトラウスは平然として「安心したまえ、ピアノでだって弾けやしないよ」と答えたという。

準備の段階で多くのトラブルが生じ、一時は上演の実現が危ぶまれさえしたが、この新作に惚れ込んだドレスデン宮廷歌劇場の音楽監督エルンスト・フオン・シューフによる強力な推進が功を奏し、1905年12月9日、「サロメ」は歴史的な初演の日を迎えた。ベルリンではなくドレスデンの歌劇場で初演されたのは、ウェーバーやワーグナーの諸作品を初演したことで知られる由締あるこの劇場が、帝都の劇場にくらべて検閲等の点で問題が少なく、白由な活動が可能だったことが大きな要因であろう。前作の「フオイヤースノート」以降、シュトラウスとドレスデン歌劇場との結びつきは深く、「サロメ」以後も「エレクトラ」、「ばらの騎士」、「インテルメッツオ」、「アラベッラ」、「無口な女」など、多くのシュトラウスのオペラがこの劇場で初演されることになる。

シューフの指揮、ヴィリー・ヴィルクの演出、マリー・ヴィティヒ(サロメ)、カール・ブリアン(ヘロデ)、カール・ペロン(ヨハナーン)らの歌手陣による初演は、ドイツの歌劇史上に残る大成功となった。ドイツ、オーストリアはもとより、ヨーロッパ中の名のある批評家や芸術愛好者たちが、リヒャルト・シュトラウスの大胆きわまる「サロメ」に衡撃を受け、しばしば少なからぬ戸惑いをみせながも、賛辞の言葉を惜しまなかった。愛欲の暴走、運命の女、グロテスク趣味、オリエント・エキゾティズム、舞踏への熱狂一ワイルドの戯曲の耽美的倒錯の世界をケレン味たっぷりの極彩色の音楽で絢爛豪華に染め上げたシュトラウスの「サロメ」は、そのスキャンダラスな話題性とともに、世紀末という華やいだデカダンス好みの時代の神経を見事に促えた、すこぶる現代的な総合芸術の作品だったのである。
(2002年公演 新国立劇場 公演プログラム 作品解説(文:田辺 秀樹)より抜粋・加筆)

赤を貴重とした装置で繰り広げられるドラマは、官能的なシーンや、生首の登場、そしてその生首へのキス、と刺激的ではあるが、決してグロテスクな演出ではありません。むしろ、原作オスカー・ワイルドの世界を見事に表現しているプロダクションです。

<ものがたり>
紀元三十年頃のエルサレム、ヘロデ王の宮殿。領主の寵愛を一身に受ける娘サロメは、庭の古井戸の中に幽閉されている預言者ヨハナーンに興味を持ち、衛兵隊長ナラボートに連れ出すよう命ずる。ヨハナーンは、サロメにキスを求められるが、拒否して古井戸に戻る。一方、ヘロデ王は宴の席でサロメに踊りを求める。サロメは裸身にまとったベールを一枚ずつ脱ぐ官能的な「七つのベールの踊り」を踊る。踊り終えてサロメが要求した褒美とはヨハナーンの首であった。

<参考サイト>

●今回公演「サロメ」のホームページ
http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/20000011.html?b
●新国立劇場トップ
http://www.nntt.jac.go.jp/
●オペラ入門
http://www.nntt.jac.go.jp/bravo_opera/index.html

<参考>

新約聖書にあるサロメ
『新約聖書』の登場人物。ガリラヤとペレアの領主(前4〜後39)であった義父ヘロデ・アンティパスの誕生日の祝宴で舞い、その褒美として、母ヘロデヤにそそのかされて洗礼者ヨハネの首を所望した王女。サロメという名は福音書(ふくいんしょ)(「マタイ伝福音書」14章、「マルコ伝福音書」6章)にはなく、ヨセフスの『ユダヤ古代誌』Josephus, Flavius “Ioudaik Archaiologia”17巻による。サロメは、洗礼者ヨハネの死にまつわるエピソードとして、とくに首を盆にのせるというショッキングな事件のために有名であり、オスカー・ワイルドの戯曲の悲劇性や、リヒャルト・シュトラウスの楽劇で演じられる「七つのベールの踊り」の官能美に目をひかれやすい。それとは別に、サロメを通して当時のユダヤの宮廷生活の近親婚に触れることができる。母ヘロデヤはヘロデ大王の孫娘で、叔父たちの政略結婚に翻弄(ほんろう)されたとも理解できる。

<戯曲のサロメ>
イギリスの作家オスカー・ワイルドが名優サラ・ベルナールのためにフランス語で書いた一幕劇。1893年パリで出版、英語版は友人アルフレッド・ダグラスの訳にオーブリー・ビアズリーの有名な挿絵を添えて94年に出版された。イギリスでの上演は禁止され、初演は96年パリのテアトル・ド・ルーブル。リヒャルト・シュトラウスによるオペラの成功(1905)もあったが、ユダヤ王妃エロディアスの娘サロメの美しい踊りに心奪われた継父エロド・アンティパスが獄中のヨカナーンの首をサロメに与えたという『新約聖書』「マタイ伝」14章の物語が、世紀末的幻想とワイルドの色彩豊かな文章によって世紀末を代表する戯曲となった。

<オスカー・ワイルド>
1854年10月15日 -
1900年11月30日)は、アイルランド出身の作家、劇作家。戯曲『サロメ』や『真面目が肝心』、小説の『幸福な王子』や『ドリアン・グレイの肖像』などを書いた、ヴィクトリア朝時代イギリス文学作家の一人である。

<実施概要>

●オペラ「サロメ」観劇&交流会
●日時:2月6日(水)18:30〜23:00
18:00 受付開始
18:30 開演「サロメ」
22:00 終演 交流会へ
23:00 終了
●会場 新国立劇場 (京王線初台駅直結)
●交流会のゲスト:桑原 貴氏(新国立劇場制作部 オペラ広報)
●会費:クラブメンバー 27,000円 ビジター 29,000円
(S席チケット代+終演後の交流会会費+雑費)