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オペラレクチャー「サロメ」を学ぶ

<ご案内>

超初心者のためのオペラシリーズ、第4回は「サロメ」です。このレクチャー、本当に好評です。ストーリーを知り、音楽を聴く、何となく想像は出来ますが、これではその作品の良さは分かりません。

ところが過去の公演ビデオ、ハイライトシーンを見せてもらい、

“ここは必見のアリア(独唱)ですね!”
“見逃せないシーンですよ!”
“ここを見てください!”

というような話を伺いながら観ていくと、これがよく分かるのですね。ビデオでもこうなのだから、オペラのライブだったら・・・という期待値が大きく高まるのです。

実は前回のレクチャー、“ラ・ボエーム”だったのですが、渡辺は・・・泣きました。ビデオで泣いてどうするのか、という感じですが、本番の公演になったらどうなるのでしょうか。

それぐらいこのレクチャーは良く分かるのです。いきなりオペラ本番でも良いのですが、(多くの方はそうだと思います)折角の機会、ちょっとだけ学んで行くと、本当に違います。

新国立劇場、オペラ広報の桑原さんは音大出身、音楽の先生もされていた方、熱い教え方をして下さいます。初心者が分かりやすい内容を準備して下さっています。

そんな貴重な機会なのです。どうぞ奮ってご参加下さい。

ギリークラブですからセミナー+交流会で何でも聞ける場ですし、本公演を観劇できない方の参加もOK、レクチャーは無料です。劇場に2回足を運ぶ手間はありますが、それだけの価値があります。

レクチャー参加後のオペラ観劇の申し込みでOKですが、本公演の案内はもう少し早めに行いますので、事前申し込みが殺到した場合は入手困難な時もあります。その際はどうぞご容赦下さい。

もちろん、その際には事前に状況をお知らせしますので、ご興味があり参加を考えている方はご一報下さい。

ということで、オペラレクチャー第4弾です。講師である新国立劇場オペラ広報、桑原さんの解説をお読み下さい。

“サロメ”は新約聖書とか、オスカーワイルドの戯曲が分かっていると、より楽しめるそうです。お時間のある方は調べてから来てください。(でも、そんな事は不要で、気楽に来てください。)

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オペラレクチャー付き観劇プランの第四弾は、リヒャルト・シュトラウスが作曲した傑作オペラ「サロメ」です。

この作品は、リヒャルト・シュトラウスがオペラ作曲家としての名声を確立し、20世紀の音楽劇に新たな境地を導いた画期的作品です。オペラの魅力は「音楽とドラマの融合」。

その音楽ですが、例えばモーツァルトのような美しいハーモニーを多用した作曲法ではなく、ワーグナーが確立した「ライトモティーフ」(ワーグナーの楽劇によって確立された、オペラ・標題音楽などで、特定の人物・理念・状況などを表現するために繰り返し現れる楽節・動機。)を多用して作曲された、とても劇的な音楽なんです。

<作品解説>
原作となるオスカー・ワイルドの「サロメ」は、1893年にパリの出版社からフランス語で出版された。翌年、作家の愛人であるダグラス卿による英訳が、ビアズレーの挿絵入りで世に出る。聖書の中の小さなエピソードに題材をとりながら、常軌を逸した愛欲の情景を描いたこの戯曲は、風紀紊乱的な内容ということで、さらにまた作者ワイルドの男色スキャンダルによる投獄という事情も加わって、英国での上演はなかなか実現しなかった。しかし、1896年にはパリで初演がおこなわれ、衝撃的な舞台劇としてヨーロッパでひろく知られるようになってゆく。ドイツでの初演は1901年、ブレスラウ(現在はポーランド領ブロツワフ)においてだった。

 その翌年の1902年、リヒャルト・シュトラウスはウィーンのボヘミアン文士アントン・リントナーから「サロメ」のオペラ化の申し出を受ける。大いに乗り気になった作曲家:リヒャルト・シュトラウスは、当初リントナーがオペラ台本用に脚色したテキストに付曲するつもりでいたが、戯曲「サロメ」のヘドヴィッヒ・ラッハマン女史によるドイツ語訳を読むうちに、原作のテキストにじかに付曲するほうがいいと考えるようになった。1903年のはじめにベルリンの劇場<クライネス・テアーター>で、マックス・ラインハルト演出によるこの芝居の上演を見たことが、大きなきっかけとなったとみてよいだろう。リヒャルト・シュトラウスはヴッハマンのドイツ語訳をもとに、音楽劇としての効果に配慮しながらあちこちをカットし、部分的に書き換えたりもして自ら台本を作成し、曲を付けていった。こうして、リブレット(オペラ用台本)という中間項を排除して第一級の文学テキストにじかに作曲された<文学オペラ>としての「サロメ」が誕生することになる。

 作曲には足掛け3年を要し最終的な総譜が完成したのは1905年の6月だったが、それから初演にこぎつけるまでの道も平坦ではなかった。歌手たちは口ぐちに難しすぎてとても歌えないと訴えた。市長夫人でもあったサロメ役の歌手は、演出家のさまざまな要求に対して、「貞淑な家庭夫人である私には、そんな恥知らずなことはできない」と言い出す始末だった。そもそもリヒャルト・シュトラウス友人の作曲家マーラーでさえも、シュトラウスが「サロメ」を作曲すると聞いたとき、カトリックの諸国ではとうてい上演できないだろうと言って、強く反対したのである(もっともマーラーはなかば完成されたスコアをシュトラウスから見せてもらってからは、「サロメ」の熱烈な支持者となる)。オーケストラの練習の際、オーボエ奏者がこんなパッセージはピアノじやあるまいし吹けやしません」と言ったとき、シュトラウスは平然として「安心したまえ、ピアノでだって弾けやしないよ」と答えたという。

準備の段階で多くのトラブルが生じ、一時は上演の実現が危ぶまれさえしたが、この新作に惚れ込んだドレスデン宮廷歌劇場の音楽監督エルンスト・フオン・シューフによる強力な推進が功を奏し、1905年12月9日、「サロメ」は歴史的な初演の日を迎えた。ベルリンではなくドレスデンの歌劇場で初演されたのは、ウェーバーやワーグナーの諸作品を初演したことで知られる由締あるこの劇場が、帝都の劇場にくらべて検閲等の点で問題が少なく、白由な活動が可能だったことが大きな要因であろう。前作の「フオイヤースノート」以降、シュトラウスとドレスデン歌劇場との結びつきは深く、「サロメ」以後も「エレクトラ」、「ばらの騎士」、「インテルメッツオ」、「アラベッラ」、「無口な女」など、多くのシュトラウスのオペラがこの劇場で初演されることになる。

シューフの指揮、ヴィリー・ヴィルクの演出、マリー・ヴィティヒ(サロメ)、カール・ブリアン(ヘロデ)、カール・ペロン(ヨハナーン)らの歌手陣による初演は、ドイツの歌劇史上に残る大成功となった。ドイツ、オーストリアはもとより、ヨーロッパ中の名のある批評家や芸術愛好者たちが、リヒャルト・シュトラウスの大胆きわまる「サロメ」に衡撃を受け、しばしば少なからぬ戸惑いをみせながも、賛辞の言葉を惜しまなかった。愛欲の暴走、運命の女、グロテスク趣味、オリエント・エキゾティズム、舞踏への熱狂一ワイルドの戯曲の耽美的倒錯の世界をケレン味たっぷりの極彩色の音楽で絢爛豪華に染め上げたシュトラウスの「サロメ」は、そのスキャンダラスな話題性とともに、世紀末という華やいだデカダンス好みの時代の神経を見事に促えた、すこぶる現代的な総合芸術の作品だったのである。
(2002年公演 新国立劇場 公演プログラム 作品解説(文:田辺 秀樹)より抜粋・加筆)

赤を貴重とした装置で繰り広げられるドラマは、官能的なシーンや、生首の登場、そしてその生首へのキス、と刺激的ではあるが、決してグロテスクな演出ではありません。むしろ、原作オスカー・ワイルドの世界を見事に表現しているプロダクションです。

レクチャーでは、前回の公演ビデオを使用して、聴き所・観どころと簡単なストーリー説明を行ないます。それから、本公演のアーティストの魅力を少しご説明したいと思います。レクチャー(参加無料)にご参加いただいて、オペラ「サロメ」ストーリーと作品のポイントを是非とも抑えていただきたいと思います。その上で、実際のサロメの舞台もご観劇いただきたいと思っております。皆様の観劇申し込みを、お待ち申し上げております。

なお、レクチャー終了後、簡単な懇談会を予定しております。皆様のご参加・お申し込みをお待ちしております。

<ものがたり>
紀元三十年頃のエルサレム、ヘロデ王の宮殿。領主の寵愛を一身に受ける娘サロメは、庭の古井戸の中に幽閉されている預言者ヨハナーンに興味を持ち、衛兵隊長ナラボートに連れ出すよう命ずる。ヨハナーンは、サロメにキスを求められるが、拒否して古井戸に戻る。一方、ヘロデ王は宴の席でサロメに踊りを求める。サロメは裸身にまとったベールを一枚ずつ脱ぐ官能的な「七つのベールの踊り」を踊る。踊り終えてサロメが要求した褒美とはヨハナーンの首であった。

<参考サイト>

●今回公演「サロメ」のホームページ
http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/20000011.html?b
●新国立劇場トップ
http://www.nntt.jac.go.jp/
●オペラ入門
http://www.nntt.jac.go.jp/bravo_opera/index.html

<参考>

新約聖書にあるサロメ
『新約聖書』の登場人物。ガリラヤとペレアの領主(前4〜後39)であった義父ヘロデ・アンティパスの誕生日の祝宴で舞い、その褒美として、母ヘロデヤにそそのかされて洗礼者ヨハネの首を所望した王女。サロメという名は福音書(ふくいんしょ)(「マタイ伝福音書」14章、「マルコ伝福音書」6章)にはなく、ヨセフスの『ユダヤ古代誌』Josephus, Flavius “Ioudaik Archaiologia”17巻による。サロメは、洗礼者ヨハネの死にまつわるエピソードとして、とくに首を盆にのせるというショッキングな事件のために有名であり、オスカー・ワイルドの戯曲の悲劇性や、リヒャルト・シュトラウスの楽劇で演じられる「七つのベールの踊り」の官能美に目をひかれやすい。それとは別に、サロメを通して当時のユダヤの宮廷生活の近親婚に触れることができる。母ヘロデヤはヘロデ大王の孫娘で、叔父たちの政略結婚に翻弄(ほんろう)されたとも理解できる。

<戯曲のサロメ>
イギリスの作家オスカー・ワイルドが名優サラ・ベルナールのためにフランス語で書いた一幕劇。1893年パリで出版、英語版は友人アルフレッド・ダグラスの訳にオーブリー・ビアズリーの有名な挿絵を添えて94年に出版された。イギリスでの上演は禁止され、初演は96年パリのテアトル・ド・ルーブル。リヒャルト・シュトラウスによるオペラの成功(1905)もあったが、ユダヤ王妃エロディアスの娘サロメの美しい踊りに心奪われた継父エロド・アンティパスが獄中のヨカナーンの首をサロメに与えたという『新約聖書』「マタイ伝」14章の物語が、世紀末的幻想とワイルドの色彩豊かな文章によって世紀末を代表する戯曲となった。
<オスカー・ワイルド>
1854年10月15日 - 1900年11月30日)は、アイルランド出身の作家、劇作家。戯曲『サロメ』や『真面目が肝心』、小説の『幸福な王子』や『ドリアン・グレイの肖像』などを書いた、ヴィクトリア朝時代イギリス文学作家の一人である。

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(シリーズ開始時の案内文です)
一体オペラってなんだろう?
イタリアオペラ、ドイツオペラ、オーストリア、ロシア、アメリカ、そして日本のオペラ、どんどん一流歌手が来るけれど、何から入ったらよいのか、それ以前にあんな高いチケットで何を楽しんでいるのだろう?

そんな事を思ったことがあると思いますが、まずはレクチャーで知り、素朴な疑問をぶつけさせていただき、なるほどとある程度予備知識が入ったところで本公演を迎えれば、わくわく感もあいまって、楽しさが違うと思います。

初心者に分かりやすいオペラ入門のギリークラブ、新国立劇場運営財団の飯島健氏はじめ、スタッフの皆さんと一緒に考えた方法です。

単なるセミナー、鑑賞会だけではなく、ギリークラブらしく素晴らしい時間を共有したお仲間、参加者同士の「オペラ交流」ができるような内容に、と思っています。

毎回初心者向けで実施しますので、今回だけ単独参加でも全く問題ありません。このページの最後に年間の予定を付けておきます。

<参考情報>

♪そもそもオペラって?
ルネサンス後期の16世紀末、フィレンツェで“古代ギリシャの演劇を復興しよう”という流れからギリシャ悲劇を模範に、<歌うようなセリフを用いる劇>が考えられたのがオペラの起源といわれています。つまり、オペラを一言で説明いたしますと“セリフが歌で表現されているドラマ”なんです。

♪オペラの魅力は?
第一に、歌手の“声の魅力”をご堪能ください。
世界で一流と言われる“歌手の声”はまさに芸術品です。聴いていると、心地良かったり、圧倒されたり、涙が出てきたり。この素晴らしさを説明するのは言葉では非常に難しく、体験していただくことが一番の近道なのですが、それをあえて言葉で説明いたしますと、「凝っている肩にクーッとツボ゛に入ってほぐしてくれる、ゴッドハンドのエステシャン」のように、皆様の心に歌手たちの歌声は染み渡るでしょう。

第二に、“ストーリーの展開と音楽の融合”をご堪能ください。
オペラは、優れた文学作品を台本化して、そのストーリーに合わせて作曲家が曲を作曲して完成した作品がほとんどです。そして「オペラのドラマは“男と女のドラマ”がほとんどである!」と申し上げて過言ではございません。恋愛ドラマに素晴らしいBGMは不可欠ですが、その原点はオペラにあるのです。

第三に、“視覚的にドラマを支える舞台セットと照明と衣裳の融合”をご堪能ください。
<最愛な人に対する“愛の告白”にはロケーションがとても重要>という意見に、皆様ご賛同いただけると思います。デザイン空間で繰り広げられるストーリー、雰囲気を盛り上げるドラマティックな照明効果、キャラクターに合わせてデザインされた衣裳。視覚的にもすべてが“芸術作品”の中でオペラは公演されるのです。

<実施概要>

●ギリークラブ オペラレクチャー「サロメ」を学ぶ
●日時:12月8日(土)13:30〜16:00
13:00 受付開始
13:30 レクチャー
15:00 交流会へ
16:00 終了
●会場 新国立劇場 5階 情報センター(京王線初台駅直結)
●ゲスト:桑原 貴氏(新国立劇場制作部 オペラ広報)
●会費:無料 交流会会費(お茶代)は別途個人負担
●参加人数:申込先着順 25名限定
※レクチャーに参加したら本公演を観劇しなくてはいけない、
 などという事はありません。
 どうぞお気楽におご参加下さい。
●応募締め切り:11月30日
それ以前でも満員の際には締め切ることもあります。
但し、席に余裕があれば締め切り後でも受け付けます。
お問い合わせ下さい。

なお、今回学ぶ「サロメ」本公演の観劇&交流会は
2008年2月6日(水)19:30開演です。
チケット手配の都合上、1月8日までにお申し込み下さい。
現段階でご希望の方はご意向をお知らせ下さい。

<オペラ「サロメ」観劇&交流会>
○日時:2008年2月6日(水)19:30
○会場:新国立劇場
○会費:ギリークラブメンバー 27,000円 ご同伴ビジター 29,000円
(S席での観劇+終演後の交流会費)