<GILLIE>株式会社ギリー
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GILLIE CLUB

歌舞伎セミナー&鑑賞「平家女護島−俊寛−」ほか

<ご案内>

ギリークラブの歌舞伎鑑賞の会です。10月は話題の『俊寛』を観ますが、今回はポピュラーな場面である、『鬼界ケ島の場』に加えて、それに至るエピソードが分かる『六波羅清盛館の場』も通しての上演です。

ギリークラブではおなじみの国立劇場の岡野氏にお願いして、『俊寛』セミナーと題して、この人気狂言(歌舞伎では作品のことを狂言と呼びます)の基本をお聞きしたいと思います。

原作者の近松門左衛門のこと、登場人物がどのような性格で、この場面ではどのような心理状態なのか、特に『六波羅清盛館の場』の事をお聞きしたいなと思っています。

勿論、セミナー直後に観劇するわけですから、見所をしっかりお聞きします。しっかり歌舞伎を楽しんで頂いた後は、再び岡野さんを囲む茶話会、素朴な疑問、ご感想などもあるでしょう。それを聞きましょう。

興が乗ったら、そのまま軽く飲みに行っても良いなと思っています。ご意向をお聞かせ下さい。

ということで、ギリークラブらしいセミナー、観劇&交流会です。この機会に俊寛を知りたいとは思いませんか?初心者でもOK、詳しい方も見逃せない内容になると思います。(基本は初心者向け企画、あまり専門的なご質問は遠慮して下さい)

ご参加の方に新装なった雑誌「演劇界」10月号を1冊差し上げます。
(演劇界:http://www.engeki.co.jp/
ギリークラブでは今後「演劇界」さんともご一緒していきます。どうぞお楽しみにして下さい。

ということで、秋の一日を歌舞伎でご一緒しませんか?奮ってのご参加お待ちしています。


<実施概要>

●日時 10月14日(日)
9:45 受付開始(伝統芸能情報館 3F レクチャー室)
10:00 『俊寛』セミナー、今日の見所
 講師:岡野 豪氏(国立劇場芸能部文芸室主任・歌舞伎作家)
11:00 大劇場に移動
11:30 歌舞伎 開演
・平家女護島−俊寛− (へいけにょごじま しゅんかん)
・昔語黄鳥墳     (むかしがたりうぐいすづか)

(出演)
松 本 幸四郎
坂 東 彦三郎
市 川 段四郎
市 川 染五郎
中 村 芝 雀
中 村 東 蔵
中 村 梅 玉  ほか
15:50 終演予定 その後茶話会(岡野氏を囲んでの茶話会)

●会費 ギリークラブ会員、9,000円 ビジター 11,000円
(チケット代、プログラム代、茶話会費、講師謝礼分担金)
※今回ご参加の方には雑誌『演劇界』を1冊差し上げます。
●募集人数:30名限定 (お早めにお申込み下さい)
●会場 国立劇場大劇場(半蔵門)
(国立劇場への行き方)
http://www.ntj.jac.go.jp/gekijo/kokuritsu/index.html#access


<参考>歌舞伎を知るためのサイト

●日本芸術文化振興会(国立劇場)
http://www.ntj.jac.go.jp/
●伝統歌舞伎保存会
http://www.kabuki.or.jp/
●歌舞伎・演劇
http://www.shochiku.co.jp/play/index.html
●文化デジタルライブラリー
http://www2.ntj.jac.go.jp/dglib/
●歌舞伎座
http://www.kabuki-za.co.jp/
●日本俳優協会
http://www.actors.or.jp/index2.html

<今回の鑑賞作品>

◆◇ 平家女護島−俊寛−(へいけにょごじま しゅんかん)◇◆
近松門左衛門=作
 国立劇場美術係=美術
 国立劇場文芸課=補綴
  第一幕 六波羅清盛館の場
  第二幕 鬼界ケ島の場

(国立劇場チラシより)
平家打倒の密議に加わった俊寛僧都は鬼界ケ島へ流刑となり、残された妻の東屋は、平清盛の横恋慕を拒絶して自害します。(『清盛館』)折からの恩赦で、鬼界ケ島にも赦免の使者が派遣されます。愛妻の自害を知らされた俊寛は、流人仲間の丹波少将成経と海女千鳥との恋を遂げさせるため、無慈悲な使者の瀬尾十郎を斬り殺し、島に残る覚悟を表明。もう一人の使者・仁左衛門は、その意を汲み、千鳥を俊寛の代わりに乗せて出船します。が、船が遠ざかるにつれ、俊寛は、すさまじい孤独感に襲われるのでした。(『鬼界ケ島』)

『平家女護島』は、文豪・近松門左衛門が、享保4年(1719)、人形浄瑠璃(現在の文楽)に書き下ろした全五段の時代物。二段目の「鬼界ケ島」は、歌舞伎でも文楽でも、繰り返し上演されている名場面です。『平家物語』の伝える悲劇に加えて、近松は、東屋や千鳥といった人物を創作し、ひたすら都への帰参を望んでいた俊寛が、他人の恋のため我が身を犠牲にするまでの経緯を、感動的に描きました。今回は「清盛館」からの上演で、「鬼界ケ島」の背景にある設定が、より明瞭にご理解いただけるでしょう。

すでに回を重ね、定評のある松本幸四郎の俊寛に、梅玉の仁左衛門、段四郎の瀬尾、芝雀の千鳥、染五郎の成経など、魅力的な配役でご覧に入れます。

※ 平家女護島 現代語訳
http://www.fukuoka-edu.ac.jp/~itasaka/jugyou/heike001.html


◆◇ 昔語黄鳥墳(むかしがたりうぐいすづか) ◇◆
−うぐいす塚− 三幕六場
奈河彰輔=監修
 国立劇場文芸課=補綴
 国立劇場美術係=美術
  序 幕 天満天神の場
  二幕目 長柄長者屋敷の場
       淀川堤の場
  大 詰 長柄長者屋敷奥座敷の場
       同 奥庭の場
       草土手の場

(国立劇場チラシより)
長柄の長者・左衛門の娘梅ヶ枝は、可愛がってくれる鶯の唐琴が鷹に襲われるところを助けてくれた若者に一目惚れ。身なりは貧しいが気高く美しい若者、実は佐々木源之助という武士で、親の敵を尋ねる身でしたが、忠義な腰元幾代の説得に折れ、婿入りを承知します。この婚儀を熱心に後押ししたのは、左衛門の後妻玉木。実は婚礼の席で恥をかかせ、梅ヶ尾ともども追放しようという魂胆でした。しかし、源之助は見事な礼儀作法や諸芸の嗜みを披露。同席していた淀の城主・淀与三右衛門は、源之助の素性を見抜きます。一方、玉木は情を通じている悪僧・大仁坊と謀り、新たな悪計をめぐらします・・・。

原作は読本(歴史小説)の『長柄長者黄鳥墳』(1811(文化8)年刊)。程なくこれが大坂で劇化され、1832(天保3)年、『昔語黄鳥墳』として江戸でも新たに脚色されました。一種の仇討物ですが、「鶯が取り持つ恋」というメルヘンチックな設定を含む、心懐かしい「日本昔話」風の味わいがこの芝居の面白さです。今回は大劇場では1929(昭和4)年以来、久々の上演。幸四郎の与三右衛門、芝雀の幾代、東蔵の玉木など、豪華な共演者を得て、染五郎が主役の源之助と色悪の大仁坊を勤めます。早替りを含むこの二役の演じ分けは、大きな見どころになるでしょう。


<「平家女護島」 Japan Knowledge より抜粋>

浄瑠璃義太夫節(じょうるりぎだゆうぶし)。時代物。五段。近松門左衛門作。1719年(享保4)8月、大坂・竹本座初演。『平家物語』をもとに、平重衡(しげひら)の南都焼討ち、鬼界ヶ島の流人、常盤御前(ときわごぜん)と牛若丸の苦心、清盛の病死、頼朝(よりとも)の旗揚げなどを脚色。題名は、三段目「朱雀(すざく)御所」で、常盤御前が源氏の味方を集めるため、色欲にふけるとみせて往来の男を引き入れるという筋に由来するが、有名なのは二段目「鬼界ヶ島」で、「俊寛(しゅんかん)」の通称で知られる。平家転覆の陰謀破れ、鬼界ヶ島に流刑となった俊寛僧都(そうず)、平判官康頼(やすより)、丹波(たんば)少将成経(なりつね)は、都から瀬尾(せのお)太郎と丹左衛門(たんざえもん)を上使とした赦免の船が着いたのに、俊寛だけが赦免状に名が漏れ、嘆き悲しむ。平重盛(しげもり)の命を受けた丹左衛門によって俊寛は九州までの乗船を許されるが、成経と愛し合う海女千鳥(あまちどり)は無情な瀬尾から同船を拒まれる。悲嘆を見かねた俊寛は、瀬尾と闘ってこれを殺し、自分のかわりに千鳥を乗せ、ひとり島に残って、遠ざかる船を見送る。謡曲『俊寛』をなぞりながら、千鳥と成経の恋によって彩りを加え、俊寛に特殊な性格を与えたもの。歌舞伎(かぶき)では、終段の俊寛の悟ろうとして悟りきれない悲哀を描くのに、回り舞台と浪布の効果を活用した演出が光っている。