<GILLIE>株式会社ギリー
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GILLIE CLUB
『総合週刊誌は生き残れるか』

<ご報告>

9月22日、ギリークラブで「総合週刊誌の未来」について語って下さったのは、『週刊朝日』の青木康晋編集長。『AERA』副編集長時代は、中吊り広告にある“ダジャレ”1行コピーも書いていた人です。もっとも、朝日新聞社での23年間のうち、雑誌経験は5年間で、それ以外は新聞で政治部や社会部などの記者をしていたそうです。今年4月、編集長に着任早々、イラクの日本人人質事件が起き、人質の1人が『週刊朝日』にときどき写真を寄稿していた人だったことから、記者会見もしました。では、青木編集長のお話を−−。

「ここでは便宜的に『週刊朝日』『サンデー毎日』『週刊新潮』『週刊現代』『週刊文春』『週刊ポスト』(創刊順)の6誌を総合週刊誌と呼ぶことにします。一口に総合週刊誌といっても、カラーはさまざまです。新潮、現代、ポストは男性読者の比率が高いでしょう。一方、朝日、毎日、文春は比較的、女性読者が多いと思います。弊誌で言えば、男女比が6対4くらいです」。

「・・・さて、この中で週刊朝日はどういうイメージでしょうか。『信頼できる』『ウソや大げさなことを書かない』というおほめの言葉をいただく半面、『人にたとえるなら、恋人じゃなくて、いい人、いい友達』という、喜んでいいのかどうか悩む評価も耳にします。かつて『国民雑誌』と呼ばれた時代もありますが、メディアが多様化したいま、どうやって他誌と差異化を図るかが課題だと考えています」。

ここで青木編集長は、参加者に配っておいた週刊朝日の最近10号分の新聞広告について、クイズを出しました。
「この中で、どの号の売れ行きがよかったか、どの号がよくなかったか、○×△をつけてみてください」。
いきなりの出題に戸惑いながらも広告をチェック。うーん、なんだか、皆、売れそうな勢いのタイトルばかりなんですが。・・・数分後、「正解」が発表されました。そしてこの結果からは、読者のニーズが垣間見えたようでした。

売れ行きがよかった号は以下の通りです。

○5月28日号 第一特集「小泉純一郎の『うそ』電撃再訪朝の内幕』
        第二特集「腰痛、めまいは『うつ病』を疑え」

○6月4日号  第一特集「拉致家族5人帰国 これで成功なのか」
        第二特集「天皇ご一家 父と長男の『距離』」

○8月6日号  第一特集「猛暑と大地震 不安な関係」
        第二特集「あなたの500万円 プロはこうして殖やす」

○8月13・20日合併号
        第一特集「暗証番号は盗まれる!」
        第二特集「薄型テレビ・DVD 超簡単買い方ガイド」

○8月27日号 第一特集「63歳のハローワーク 厳選40職」
        第二特集「大反響第2弾 暗証番号 銀行別『安全度』」

青木編集長が解説します。
「カードの暗証番号、異常気象、健康、定年後の暮らしなど、読者の潜在的な不安にこたえる企画が好評でした。そして無視できないのが表紙の効果。6月4日号はドラマ『冬のソナタ』で知られる韓国の俳優ペ・ヨンジュンさんを表紙にしたことも大きかったと思われます。ここに取り上げた10号の中には、長崎県佐世保市で起きた小6殺害事件で加害女児と被害女児らの交換日記をスクープした号(6月25日号)や、東京・綾瀬の女子高生コンクリート殺人犯が15年後にまた逮捕されていたというスクープを掲載した号(7月16日号)もありますが、売れ行きはいまひとつでした。自信をもって送り出したスクープが必ずしも売れ行きにつながらないのは、切ないものがあります」。

クイズの正解率はあまりよくありませんでした。一番成績のよかった人(2人)が10問中、7割正解で、さすがに雑誌づくりの難しさを実感します。「全問正解者がいたら『1日編集長』になってもらおうと思っていました」と冗談を言う青木編集長の言葉に、「もう一回やらせて!」と懇願したくなったのは私だけではなかったハズ。

青木編集長が続けます。「週刊朝日の読者の中核は団塊の世代。首都圏読者がメインのAERAと違い、週刊朝日の読者には全国的な広がりがあります。平均的な読者のイメージとしては、50代のサラリーマン夫婦で、子どもは大学生、住宅ローンはあと少し残っている、熟年後の夫婦のあり方や親の介護を気にかけている、というような感じでしょうか。読者アンケートでは『月刊文藝春秋』と併せて読んでいるという人も多いようです」。

「いかにも『週刊朝日』の読者らしいエピソードをご紹介しましょう。毎号、誌面にクロスワードパズルを載せています。ここに、実に1%近い数の読者が回答を送ってくださるのです。毎号、数千人の正解者の中から10人に5千円分の図書券をお送りしているという文字通りの『薄謝』なのに、これはすごい応募率だと思います。そしてまた、かなりの数の当選者が、賞品へのお礼状を送ってくださる。それを編集後記に書いたら、『自分は図書券をいただいておきながら、礼状を出さずに申し訳ない』というお手紙がまた届く、ということもありました」。

「こういうことから察するに、週刊朝日は、経済的・時間的余裕があって、まじめな大人の読者が多いと言えると思います。そうした人たちの生活を応援します、というスタンスを誌面で具現化していきたいですね」。

青木編集長は、総合週刊誌の進むべき方向について、悩みも吐露し、「皆さんのご意見もうかがいたい」と言いつつも、確実に方向性を見定め始めている様子でした。出版不況と言われる中で、右往左往せずに従来の読者層から大切にしていく。その姿勢は「読者からいただいたクレームやお手紙には、できるだけ自分でお便りを書いています」(←編集長自ら!)というコメントからも伝わってきました。

<ご案内>

“ギリークラブの雑誌編集長シリーズ”今回は週刊朝日青木編集長が登場です。
日本を代表する週刊誌として1922年に創刊ですから、もう80年以上の歴史を誇る雑誌、そして朝日新聞という新聞社が発行する出版物、いわゆる新聞社系週刊誌として確固たるポジションを占めています。

ところが青木編集長の危機意識は、週刊朝日のみならず総合週刊誌全般にいえることですが、ネットやモバイルのみならず今後普及するであろう、新しいコミュニケーションインフラの時代に、今のままでの発行形態、編集内容で良いのか?という事です。

雑誌を応援するギリークラブとしても大変関心の高いテーマです。今回はこの問題提起を受けて積極的にメンバーの方からのご発言をお待ちしています。雑誌ジャーナリズムが元気でないと、実はテレビも新聞も元気が出ません。ひいては我々の生活も寂しいものになりかねないのです。

今回はご出欠をお待ちすると共に、ご意見やご質問なども頂戴できればと存じます。そして少人数で熱い議論が巻き起こり、その後の出版界に、雑誌業界に刺激を持ってもらえるような場ができればと願っています。

(週刊朝日のサイト)
http://www3.asahi.com/opendoors/zasshi/syukan/index.html



<実施概要>

●テーマ:『総合週刊誌は生き残れるか』

●ゲスト:青木氏(朝日新聞社 週刊朝日編集長)

●日時 :9月22日(水)19:00〜21:30
18:30 受付開始
19:00 セミナー開始
20:00 交流会開始
21:30 終了

●場所 :東京駅前 丸ビル8階 ROOM1

●会費 :ギリークラブ会員:8,000円(当日入会可)/ビジター:10,000円
※当日入会も受け付けます。その場合は終身登録手数料10000円、2004年度通信費5000円を加えてお支払い下さい。
※ビジターの方は、メンバー同伴、もしくは紹介が必要です。詳しくは事務局渡辺幸裕までお問い合わせ下さい。

●人数:申込先着順 20名様限定 (メンバー優先です)
※準備の都合上9月14日(水)以降のキャンセルは会費をご負担頂きます。ご了解下さい。

●協力:三菱地所株式会社


お申し込みは右記まで → g-club@gillie.co.jp
この機会にギリークラブへの入会ご検討の方はどうぞご連絡ください。 →メンバーになるには


※ご興味がありそうなお知り合いの方にこの会をご案内下さい。本当に興味がある方が集まる会にしたいと思っています。

※当日になってのご欠席は会費をご負担頂きます。ご了解下さい。

※当日の写真をサイトに掲載します。困る方は事前にお申し出下さい。