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GILLIE CLUB
『週刊ポストは訴訟といかに戦うのか』

<ご報告>

5月27日(木)、丸ビル内ROOM5にて、小学館の竹内明彦さんをお迎えしたセミナーを開催しました。「ポスト編集局」でチーフプロデューサーを務める竹内さんは、こんがり日焼けの健康系。にこやかに話すその物腰からは、『週刊ポスト』のヘアヌードにOK出してる(!)なんて想像できません。

しかも今日のお題は、
『週刊ポスト』はいかにして訴訟と戦うか。


なんとも緊張感のある題材です。「ポスト、新潮、文春、現代の中ではいちばん訴訟が少ないんです」と竹内さんは言うものの、お話し下さったその内容は、予想以上に濃いものでした・・・と、いつもなら前フリはこの程度で本題に入るのですが、今回はお話しの内容をそのまま紹介することはできません。だって怖すぎ。竹内さんのお話し、リアルでオフレコ過ぎました(もちろん、この“ここだけの話”が聞けることはギリークラブの魅力でもありますが)。過去、『週刊ポスト』が闘ってきた訴訟問題の中から「今はもう時効かも?」と選んで下さった話題の主役は、あの日本すもピー協会・・・あ、今ピー音が入ってしまいました。
やっぱやめましょう。すべてを明かせばギリークラブ主催者・渡辺の代官山事務所はチャンコ屋に、セミナー参加者も、暗い夜道で電柱に隠れハミ出す巨体に尾行されるかもしれません・・・というわけで、今回の報告はサワリだけ。参加者の皆さんは、ホントにラッキーでした。

以下、(  )内は編集サイドの補足及び表現です。

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メディアの中で
唯一、
タブーに挑める媒体


「そもそも訴訟は、総合週刊誌のルーチン・ワークのようなもの」だと竹内さんは言います。「訴訟状が送られてくると、デスクは渋い顔して現場はコーフンするというのがいつもの光景です。訴訟状が届いた編集部には、動物が発情する瞬間のような、一種独特な緊張感が走ります」。週刊ポストは昭和44年創刊。メディア全体が政権に対して牙を持っていたその頃とは違い、今の新聞やテレビは圧力に弱くすっかり日和見になってしまった、と竹内さんは言います。そんなメディアの中、唯一自由なスタンスを維持しているのが『週刊ポスト』をはじめとする総合週刊誌。「週刊誌は権力と距離をおいていますので、権力側から見たらイヤな存在でしょう。実際、元官房長官の年金未納をスクープしたのも週刊誌でしたし、現首相の年金未納問題も、本当は『週刊ポスト』のスクープでした。発売の3日前にこれに感づかれて会見をやられてしまいましたが」。週刊誌にとっての唯一の制約は“読者に買ってもらえるか否か”。それ以外に遠慮するものはない、というのが竹内さんのスタンス。「政治、勢力、その時々の大きな権力に対して、言いたいことが言える立場であること、これは今の時代に重要なメディアだと思います。『週刊ポスト』は実売61.2万冊程度ですが、実際の読者はこの4倍強を想定しています。家庭、会社などでの回し読みを考慮した人数です。この240万人強の読者に向けて、新聞やテレビからは発信されない情報を伝えている。そういう意味で、総合週刊誌は今の世俗の中で高い位置にあると思います」。

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今でこそ言える、
強大な団体の
タブーに触れた顛末


それだけに訴訟も避けられませんが、多くは示談になるのだそう。そのなかで刑事告訴にまで進んだ某スポーツ協会とのトラブルは、そのスポーツの八百長疑惑の追跡から始まりました。「7勝7敗の選手が、(トーナメントの最終)には必ず8勝7敗になる。これが立て続けに起こった。統計学の教授に調べてもらっても、あり得ない確率だったです。そこで、1980年から取材を開始しました。当時解説委員だった(元選手)を口説いたり、八百長を仕掛けていると噂された(選手)が辞めたと聞いて協力するよう説得にかかったり・・・」。国技(と言っても実は当事者が自認しているだけ?)であるこのスポーツを牛耳る協会は、当時相当な影響力を持っていたそうです。勝負の映像権はすべてこの協会にあったので、「TVや新聞は配信を得るためにこの告発について触れられなかった」と竹内さんは言います。告発を記事にした『週刊ポスト』は、同協会に訴訟を起こされ瞬く間に会場への出入り禁止になるものの、この記事の反響はかなり大きかったとか。「(元選手)に後援会の1人がサポートする形で告発キャンペーンが始まりました。しかし掲載が始まった2ヵ月後に、この2人が“偶然”、“同じ病”で、“同じ病院”にて12時間の間隔をおいて亡くなったんです。告発キャンペーンが始まってからいろいろな圧力もあったので、なんとも奇妙な、不幸な結果でした」。通常、告発記事を掲載する時は、公になった内容以外に隠し玉を持っているのが編集サイドの戦略。でもあまりに急な不幸にブラフの準備すらなく、追悼記事を書くしかなかったそうです。そして2人の不幸の直後に、同スポーツ協会から刑事告発を受けることに。「新聞記者からコメントを求められて、初めて刑事告発を受けた事を知ったんです。刑事告発は家宅捜査もあり、編集部は大変な騒ぎになりました。裁判が始まるまでは時間もなく、裁判になると審判が早いのが刑事告発の特徴。そこで新たな(元選手)を捕まえて得た証言を記事にしたら、しばらく音沙汰ナシ。その後、時効ギリギリになって、相手側から不起訴処分の通告を受けました。釈然としませんが、結果的にはこの訴訟に勝ったと思っています。この協会に限らず、強大な力を持っている相手でもタブーに触れていかないと読者の支持を得られないのが、総合週刊誌だと思っています」。ちなみに、訴訟のコストは会社と編集部の折半。つまり編集経費に裁判にかかる経費などが加算されるのです。しかし竹内さんは「裁判のために準備する資料や取材の経費は膨大でも、その記事を掲載した雑誌が完売になったり、訴訟そのものに勝てば還元される」と考えます。

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衝撃(?)のオマケ告白。
ヌードグラビアの
方向転換


訴訟問題を引き起こすその背景には、『週刊ポスト』の恐れを知らぬ取材体勢があります。4大週刊誌(ポスト、新潮、文春、現代)の中では一番若い雑誌ですが、30〜50代のビジネスマンが読者層の大半を占め、問題を丁寧に「しつこく」掘り下げる姿勢に高い支持を受けているとか。そして、インパクトのあるヘアヌードの掲載でも有名。しかし、「ギリギリのタブーに挑む“最後の挑戦”として7年前に始めたヘアヌードも、今ではどこででも目にするものになりました。ネットでは私でも目を覆いたくなるものが流通している。もはや、有名女優のヌードでもなければ部数にはつながりません。そこで、青少年の育成も配慮してこれからはヘアヌードをやめる方針です。女性読者獲得も狙って・・・」と竹内さん。会場の男性参加者から落胆のため息が・・・というのはウソですが、気になるのは、ヘアヌードが抜けたあとのグラビアページの企画。竹内さん、どうするんですか?「まだ漠然とした案だけで決定はしていません。有名人のヌードなら“ニュース”として扱うこともあるだろうし、ランジェリー特集とか・・・」。なあんだ、完全撤退じゃないんですね。ま、男性の癒しページには欠かせない要素であるのは確か。ただ、女性読者を惹きつけたいなら、モデルが付けるランジェリーには“LA PELRA(ラ・ペルラ)”か“ERES(エレス)”をお勧めましス。竹内さん。

<ご案内>

ギリークラブ雑誌編集者シリーズ、今回は男性週刊誌の優『週刊ポスト』です。
“ポスト・現代”、という言い方がありますが、奇麗事ではない人間本来の欲求の情報も含めて、雑誌メディアにはいろいろな役割があります。

売れている部数を見ても、毎週毎週の新聞広告や社内吊広告の影響力もかなり大きいものがありますし、新聞では決して取り上げない分野のスクープや戦いの結果、隠れていた世の悪を暴く、という事例もあります。

もちろん、先日問題になった“プライバシー問題”や“報道の自由”という問題と密接に関わっている分野でもあり、興味の大きいジャンル、時期です。

今回は前々編集長で現発行人の竹内氏をゲストにお迎えし、俯瞰した、そして長期的な視点で今回のテーマを通して週刊ポストを語って頂きます。もちろん、セミナー&交流会形式のギリークラブですから、少人数でいろいろな話が出来ますし、竹内氏に直接“週刊ポスト”の本音なども聞ける場です。
どうぞ奮ってご参加下さい。

(参考)
○WEEKLYポスト・ドットコム
http://www.weeklypost.com/jp/


<実施概要>

●テーマ:『週刊ポストは訴訟といかに戦うのか』―日本相撲協会との攻防史―

●ゲスト:竹内明彦氏 小学館 ポスト編集局チーフプロデューサー 週刊ポスト発行人

●日時 :5月27日(木)
18:30 受付開始
19:00〜20:30 セミナー
20:30〜21:30 交流会(軽食&飲み物です)

●場所 :東京駅前 丸ビル8階 ROOM5

●会費 :ギリークラブ会員:7,000円(ビジター9,000円)
※当日入会も受け付けます。その場合は終身登録手数料10000円、2004年度通信費5000円を加えてお支払い下さい。
※ビジターの方は、メンバー同伴、もしくは紹介が必要です。詳しくは事務局渡辺幸裕までお問い合わせ下さい。

●人数:30名(メンバー優先、先着順)

※5月20日(木)以降のキャンセルは出来ません。会費をご負担頂きますのでご了解下さい。
お申し込みは右記まで → g-club@gillie.co.jp
この機会にギリークラブへの入会ご検討の方はどうぞご連絡ください。 →メンバーになるには


※ご興味がありそうなお知り合いの方にこの会をご案内下さい。本当に興味がある方が集まる会にしたいと思っています。

※当日になってのご欠席は会費をご負担頂きます。ご了解下さい。

※当日の写真をサイトに掲載します。困る方は事前にお申し出下さい。