<GILLIE>株式会社ギリー
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GILLIE CLUB
『東京ディズニーランド20年の歩み』

<ご報告>

5月21日。台風一過の夕暮れ時より、『東京ディズニーランド』内にて、"オリエンタルランドのホスピタリティ"と題したセミナーが実施されました。園内でのセミナー開催という特別な趣向であり、定時に会場に集まった参加者の嬉々としたお顔から想像するに、集合時間ギリギリまでディズニーランド内の視察(!?)をなさったようです。セミナーでは、オリエンタルランド代表取締役専務取締役・福島祥郎さんにお話しいただきました。

昨年開園20周年を迎えた東京ディズニーランド(以下TDL)は、国内のみならず近隣諸国からのリピーターも多い、世界屈指のテーマパーク。1983年にオープンしたときは日本初のテーマパークだっただけに「経済的にも文化的にも成功できるのかと、多方面の方々から危惧されまして・・・」と福島さん。「これまでの20年を振り返ってみると、成功の要因は“肌で感じるサービス"を徹底したことにあったと思います」。参加者のテーブルには、そのヒントとなるレジメが配布されていました。「社内資料ですか?」とスタッフの方に伺うと、「一部そうですが、福島の自作のようです」・・・す、すごーい。図説あり、イラストありでTDLの秘密が満載です。

「『不思議の国のアリス』の中に、"同じ場所に止まるなら一生懸命走れ、ほかの場所に行くなら倍の速さで走れ"というセリフがあります。これは今の時代を象徴していると思います。現代は物事の完成度に+αが求められる時代です。ゲストの満足度、リピート意識を私たちのライバルだと考え、過去の実績に浸ることなく常に先へ進んでいないと、今のゲストのニーズに応えられません」。このゲスト(顧客)の心を捉える要因がホスピタリティだと、福島さんは言います。TDLと言えば、不滅の人気キャラクラーに最新機能のアトラクションが揃ったテーマパーク。だけど「そういう“花”の部分に甘んじてはいけない」のだとか・・・。

“満足感”という、
形のないものを得るために。

2万人を越えるTDLスタッフには、部署ごとに"接客サービス・マニュアル"があります。でもこれは、手順だけ記載された基本中の基本。「開園当初は、笑顔で目を見て挨拶するだけでもゲストに喜んでいただけましたが、今では当たり前のこと。マニュアルにこだわらず、時代と共にソフト面を変化させないといけません。合理性よりも人間の精神、感性に触れていかないとダメなんです。そのためにはパークという"舞台"でスタッフ全員がチームワークの良く働くことが大切です」。閉園後のTDLでは(東京ディズニーシーも同様)、夜を徹して清掃、植栽、アトラクションのメンテナンススタッフが活動しています。「特に植栽は大事です。緑は人の心に安心を与えてくれますから。TDLは、"人がいちばん居心地良く感じる場所"をコンセプトにした"想像の世界"です。そのため、建造物やウェスタンリバー鉄道をはじめとするレプリカの多くは、黄金比(実物の8分の5)サイズで作られています。このサイズは、人間が安心できるバランスだと言われています」。・・・オドロキです。ただ“遊園地だからちょっと小さめ”てワケじゃなかったとは。TDLのホスピタリティは、テーマパークという“箱造り”の段階からすでに重要視されていたようです。そして注目すべきホスピタリティのソフト面とは・・・?
「アイコンタクトをする、ゲストひとりひとりに挨拶をしてお迎えするということは当たり前のことです。でもこの“当たり前”が難しい。実際、私もある朝、街で実験してみました。そうしたら、道行く人にただ挨拶をするだけでは無視されたりするのに、こちらが真剣に挨拶をすればするほど、リアクションがあるんですね」。マニュアルに沿った、形だけのサービスでは人の心には響かないということを身をもって確認したという福島さん(それにしても、出勤途中に突然知らないオジサンに挨拶された人、まさかそれがTDLのトップだったなんて夢にも思ってないだろうなぁ)。
真意のあるサービスができれば、自然とサービスリカバリーもできると福島さんは続けます。この“リカバリー”という概念も、TDLのサービス戦略のひとつ。「リカバリーは、スタッフにしてみれば仕事の損得を超えたゲストとの触れ合いになります」。たとえば、身長に制限のあるアトラクションに乗れなかった小さな子どもに渡されるカード。「これは“フューチャーライドカード”と言います。“このラインに背が届いたときには優先的に乗ることができます”という優待カードです。こういうサービスには後日ゲストから感激したというお手紙を頂戴することもあります」。さらに、言葉や触れ合い以外での“非言語コミュニケーション”も大事。「たとえば、最大2万3000台収容できるTDLの駐車場には、ゲストを円滑に誘導できるよう充分なスタッフを配置していますが、ただ誘導をするだけが仕事ではなく、余裕のある時には、上を走るモノレールに向かって手を振って挨拶することも大切な業務として指導しています」。
・・・皆さん、TDLに行った時のことを思い出してみてください。園内を周遊するアトラクションでも、必ず手を振るスタッフに出会っていたハズ(背を向けて作業するスタッフなんて見たことないでしょ?) この徹底したサービス戦略には、セミナー参加者一同びっくり。ここで「どうやってスタッフの士気を高めているのですか」という質問が出ました。

“教育”ではなく、
心を育成するプログラム

「人的素材を指導で教育するのではなく、スタッフ同士が士気を高めています。たとえば“ファイブスターカード”というシステム。これは私たち指導側の社員が、園内で適切な対応をしているスタッフを見かけたときにそのスタッフに渡すカードです。これを貰うと、その人は後日特別なパーティに招待されます。それから、エリアごとに"ベストスタッフ"をスタッフ同士で推薦してもらい、投票の多かった人を表彰する"スピリット オブ 東京ディズニーリゾート"というセレモニーも。・・・もちろんこれは社内的な催しです。パークは生き物。常に成長しますから、スタッフも共に成長していかなければなりません。スタッフ同士がお互いを褒め称えることで士気が上がるのはもちろんですが、“常に自分も見られている”という意識から良い結果が生まれるのでしょう」。
園内で働くスタッフは若い人ばかりのようなイメージですが、1983年のオープン以来ずっと準社員(アルバイト)で働き続け、まもなく準社員初の定年を迎える人もいるとか。やる気がきちんと尊重される職場、そしてその結果がゲストの笑顔となって返ってくるというこの仕事。希望退職者は少ないという話にも頷けます。ハイクオリティなホスピタリティの裏側には、スタッフ自身の心の育成がありました。誰もが当たり前だと思いつつも、実現することは難しい“ソフト面”の向上。これこそ“テーマパーク20年”という実績の賜物なのでしょう。
セミナーの後半には、今後アジアにできるディズニーランドに対するTDLの対応について質問が出ました。香港には来年秋にオープン予定です。「これらの国から得てきた集客を期待できなくなるのでは?」という質問に、福島さんは余裕の笑顔。「TDLは、ウォルト・ディズニー氏が構想していたディズニーランドのあり方にいちばん忠実だと、本国のスタッフからも言われています。フロリダのディズニーワールドのスタッフが“ウチの息子を連れて来たい”と言ってくれたほどです。また、東京ディズニー・シーも、TDRだけの施設。そういう意味では、近隣諸国にディズニーランドができても、それぞれの楽しみ方はゲストがしっかり区別してくれると思っています」。
最後に、セミナー終了後の福島さんに伺ってみました。
「TDLの中で、個人的に好きなところはどこですか?」。
「アトラクションというよりも、『トムソーヤ島』の前の景色、それから『カリブの海賊』の入り口前に立っている木が好きなんです」
・・・皆さん、今度TDLにいらしたときは、是非このふたつをチェックしてみてくださいね。(ギリー隊:小林由佳)

そして、ギリークラブの特徴、セミナー後の交流会は遅くまで盛り上がり、かつ閉演まで貪欲にディズニーランドのアトラクションを楽しみ、修学旅行生のような大きな袋を持って帰宅の徒についた会員の方がいらっしゃったのを見てしまいました(!)。“子供の心をキープしている大人の方”は本当に素敵ですね。目がキラキラ輝いてます。
ご参加の皆様、本当にお疲れ様でした。楽しかったですね。

機会があれば、今後もイクスピアリや東京ディズニーシーでの開催を通じて『オリエンタルランドのホスピタリティ』に関してもっと理解を深めていければと思っております。


<ご案内>

“東京ディズニーランド”、今月20周年企画が終了したのはご存知だと思いますが、20年このように愛され続けている秘密を当事者の方からお伺いしたいと思います。

ディズニーのキャラクターは勿論大変に強力です。映画やビデオ、ミュージカルといったコンテンツの優良さが根底にありますが、テーマパークとしてはキャラクターだけで人を引き寄せ、キープ・拡大することは出来ないでしょう。

そしてアメリカが本場のテーマパークを、日本に持ってきて日本人のメンタリティーにも合わせ、愛され続ける場所作りをしてきたのはオリエンタルランドさんの力です。

今回ギリークラブは東京ディズニーランドの20年の歴史を振り返りながら、東京ディズニーランド現地で、直接の当事者からお話を伺い、そしてギリークラブらしく少人数での交流ができればと願っています。

ギリークラブはあるテーマに興味のある方が集まって、少人数で学んで、交流する、テーマ・パーティーです。単にディズニーランドで遊ぶ企画ではありません。

東京ディズニーランド20年の歩みをみながら、ホスピタリティに関して学び、交流する会にしたいと思います。でも、その為には出来れば早めに東京ディズニーランドにいらしてパーク体験をして頂き、その現実、素晴らしさを体験してからご参加下さい。(今から1日休みを取れればベストですね)

特に今回はディズニーランドという夢のテーマパークでの開催です。
堅苦しいセミナーというよりは、気楽な雰囲気でどんどん皆様方のご質問にお答えしながら進めたいと思います。
我々だけの会場で、オリエンタルランドの皆様方と直接お話をして頂ける場ですので、ぜひそのようなおつもりでご参加下さい。


<実施概要>

●テーマ:『東京ディズニーランド20年の歩み』

●ゲスト:福島祥郎氏(オリエンタルランド 代表取締役専務)

●日時 :5月21日(金)18:00〜22:00

●場所 :東京ディズニーランド

●会費 :メンバー限定 1名15,000円 (今回入会可)
○定員に余裕がある場合同伴ビジター参加可、会費は18,000円
○東京ディズニーランド入園パスポート、セミナー&交流会費、全て込みです。

●人数:20名名(メンバー優先、先着順)

※当日の写真をホームページに掲載します。
※5月14日(金)以降のキャンセルは出来ません。会費をご負担頂きますのでご了解下さい。

お申し込みは右記まで → g-club@gillie.co.jp
この機会にギリークラブへの入会ご検討の方はどうぞご連絡ください。 →メンバーになるには


※ご興味がありそうなお知り合いの方にこの会をご案内下さい。本当に興味がある方が集まる会にしたいと思っています。

※当日になってのご欠席は会費をご負担頂きます。ご了解下さい。

※当日の写真をサイトに掲載します。困る方は事前にお申し出下さい。